やらかした猫の行く先は そろそろ風呂に入ろうかとその準備をしているときに、その出来事は起きた。
「にゃ~!」
階段を駆け下りるような音と猫の鳴き声が聞こえた。その声の方を見ると、よく家に遊びに来る黒猫姿の猫妖精が駆け下りてくる。
この猫妖精は本当に神出鬼没で、どこからでも現れる。
「あれ?おちび、遊びに来たんだ?」
いつもなら声をかけるときちんと返事が返ってくるのだけど、今日は返事もないままに飛びついてくる。
そのまま足をよじ登ろうとするかのように爪を立て、必死に手を動かしている。
「ちょ!痛い!痛いって!」
あまりの痛みに抱き上げようと屈みこむと、少しでも距離が近くなった!とばかりに膝に飛び乗り、そのままシャツの中に潜ってきた。
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