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    ma-e-ka(仮)

    @maeka46940974

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    ma-e-ka(仮)

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    先日、節分だな…と思った時脳内に湧いた『アンデラ』のビリタチ
    (ビリ+タチ)ネタ…『泣いた赤鬼』モチーフで編んでみました。
    自分的には短く収まった!が、尻切れトンボ感が拭えず(苦笑)
    n番煎じの出涸らしネタかもですがもし宜しければお暇潰しに…
    支部に上げるかは考え中です
    (あれもこれもまだ未完成なのに他のCP?ネタ上げるのって
    申し訳ない気が……)

    #アンデッドアンラック
    undeadUnluck
    #アンデラ
    andela.
    #ビリタチ
    ferocious(armed)Monk

    金の瞳の青い鬼!!注意!!
    この小説は漫画『アンデッドアンラック』の二次創作です。
    何でも許せる方向けです。その旨宜しくお願い致します。

    ビリー×タチアナ(ビリ+タチ?)のほのぼのネタ
    (少々甘さ控えめ?)です……時系列的には、
    前ループ、2020年10月~11月頃、のイメージです
    ……何でも許せる方向けです。
    それでは、良しなに……

    追記(2023/3/22):こちらの文章を加筆修正の後、
    Pixivの方へ投稿いたしました。
    そこそこ文字数も増えてますので、間違い探しのノリで
    そちらもご覧いただけましたら幸いです。
    (加筆しても変わらず、オチはありません……
    尻切れトンボ感も変わってませんのであしからず(笑))







    「タチアナ?君がもし赤鬼で、僕がもし青鬼だとしたら……
    君はどうする?」
    『……ビリー様?』

    『金の瞳の青い鬼』

    或る夜、ビリーは壁に手を添え、足元の拍車を鳴らしながら自室へと
    歩みを進めていた。盲目ではあるが、拍車から出る音の反響音から
    彼は空間を認識し、歩行などの普段の生活に関しては然程困る事は
    ない。指先に触れる壁面のざらつく感触を頼りに彼は勝手知ったる
    廊下を進んでいく。

    組織の…円卓メンバーの居住スペースは、組織の一般職員の居住区
    とは階層が分かれている。他のメンバーも各々あてがわれた部屋へと
    既に引き上げており、ビリーは人気のない静かな廊下をゆっくりと
    歩いていた。
    いつも彼の傍に寄り添い、「彼の眼になる」と豪語している少女は、
    最近出来た友達との訓練に付き合うため、と早めに自室へと引き上げ
    休む準備をしているはずだ。
    自分を慕い、いつも傍に居てくれる彼女が自分以外の誰かと共に在り、
    その誰かを思い、行動する……そのことが嬉しくもあり、己の傍に常に
    在った金属の殻の感触がないことに、ビリーは少しばかりの寂しさも
    感じていた。

    ある円卓メンバーの部屋の前まで来た時、ビリーはドアをノックしつつ
    中に向かって呼び掛けた。
    「タチアナ?まだ起きてるの?明日も早いんじゃなかったのかい?」
    『えっ、ビリー様!?……待って、今ドア開けるから……』
    「鍵は開いてるんだろう?……夜分遅く失礼するよ」
    言いながらビリーはドアの取っ手を握り、軽く力を込め扉を開ける。
    頻繁に訪れるうら若い乙女の住まう部屋は他メンバーの部屋より
    圧倒的に広く、しかしそれは彼女の能力故のことでもあった。
    『ビリー様……ごめんなさい。明日のこと考えてたら……ちょっと
    寝付けなくて……風子から借りた本、読んでたの』
    「別に謝る事はないよ……でもそろそろ切り上げた方がいいんじゃ
    ない?」
    『うん……読んでる内に何だか楽しくなってきて夢中になっちゃった』
    少女はそう言いながら、機械仕掛けの細く固い金属の指をカチャリと
    鳴らしながら今さっきまで読んでいた本を掲げてみせる。

    ロシア人の少女タチアナ……彼女は『不可触』……自らの身体に触れる
    あらゆるモノの接触を否定し、弾き飛ばしてしまう否定者である。
    身に纏う被服さえ否定するその能力のため、ブロンドの波打つ豊かな
    髪も、光を湛える緑の瞳も、珠の様な白い肌もその身体は固い金属の
    分厚く丸い殻、通称「球(スフィア)」に収納され、表に晒されること
    はない。
    彼女は、「球」から生える金属製の腕と金属の指で本のページを
    繰ってみせながら、彼に呼び掛けた。
    『風子から借りた本、彼女の国……日本の昔話や童話なんかが色々
    収められてる本なんだけど……お国柄?みたいなのが感じられて結構
    面白いの!さすがクールジャパンの国よね……』

    風子……自らに触れる者の“運”を否定する『不運』の否定者…同じく
    否定者である『不死』のアンディと共に最近円卓入りしたメンバー
    である。新たな円卓のメンバーとして組織に加入した際や、その他
    にもタチアナと色々と悶着あったようだが、
    (『不死』…アンディとの諍いが圧倒的数を占めるようだが…)
    それらを乗り越え、今やすっかり良き友人として、組織のメンバーの
    一員として共に過ごすようになっている。
    最近は、風子が熱狂的に推しているという日本の少女漫画を貸して
    もらい、時には夜遅くまでその作品について語り合っているようだ。

    今回借りた本は、風子が多言語や文化に溢れる組織に於いて何となく
    故郷の、日本の文化や風俗に触れたい(要はホームシックのようなもの)
    と、先日少女漫画などと共に購入したものらしい……のだが、言語統一
    の影響のためか内容は全て英語になっており、風子は、
    「あぁ~わかってはいたけど本当に全部英語だぁ……“桃太郎”も…
    ……”一寸法師”も……」
    と、肩を落としていたらしい。
    翻訳機があるので読めなくはないが彼女曰く、
    「日本語の韻の踏み方とか意味とか英語になるとなんか違って~~」
    と愚痴っていたそうだ。

    「……じゃあ、タチアナが特に印象に残った話、ひとつ読み聞かせて
    くれるかい?……それで今日の読書はおしまい……いいかい?」
    『はぁ~い…………じゃあ、このお話!……『泣いた赤鬼』ってやつ……』


    ……タチアナの「球」を通しての澄んだ声が余韻を含んで消える。
    ビリーは、感じ入ったように一息つくと、
    「……有難う……素敵なお話だね。……タチアナの読み方も上手だね…
    …聴き易かったよ」
    ビリーの声に、だが少女は何も返さない。それどころか何か不満を醸した
    空気を纏う気配がする。
    「……どうしたんだい?」
    『……このお話、初めて読んだ時も思ったんだけど……何で、赤鬼は
    青鬼を追い掛けなかったのかしら……だって、大事な、たった一人の
    お友達……親友だったんでしょ?』
    そう言うと、タチアナは閉じた本を近くのテーブルに置くとビリーの
    方へ向き直り、言葉を続けた。
    『……親友がここまでしてくれたのに……泣いて泣いて泣いて……
    はい、御終い!なんて……何でここでお終いなの?……この話、続きは
    あるのかしら……』
    ほろ苦いエンディングに、金属の鳥籠の中、その可愛らしい唇を尖らせて
    不満気な囀りを歌っているであろうタチアナを盲いた瞳の奥に浮かべながら
    ビリーは、
    「こういうお話は、余韻を楽しむものでもあるからね……赤鬼の気持ち、
    青鬼の気持ち、どちら側に心を寄せるかで……話の解釈や感じ方も変わって
    来るからね」
    『それって、“ジャパニーズワビサビ”っていうやつ?……今度風子に教えて
    貰おう……』
    金属の腕を組み、思いを巡らす彼女を静かに見守っていた彼が不意に
    問い掛けた。

    「ねぇ、タチアナ?君がもし赤鬼で、僕が青鬼だとしたら………
    君はどうする?」
    『……え?ビリー様?……何言ってるの?』
    「ん?例えばの話だよ……もし、君が彼の立場だったらどうする?
    青鬼の元へ行くのかい?」
    唐突にも見える質問に対し、タチアナは少しの猶予も持たず答える。
    『ビリー様が青鬼?……なら、すぐに追い掛けるわ!だってビリー様
    だもの!』
    「……そう。……青鬼は、彼が…赤鬼が一番欲しがっていた『人との絆』
    を守るために彼の元から去っていった。その青鬼の気持ちは無視するの
    かい?……青鬼はそれを望んでいるのかな?」
    『……そ、それは……』
    タチアナはカチャリと金属の両腕を「球」の前へ持ち上げ、同じく固い
    手指を胸の前で祈る様に組み合わせると、暫し考えていた。

    やがて、「球」の前面に在る大きなレンズをビリーの方へ向けると、
    タチアナはゆっくりと自らの考えを語り始めた。
    『………私が赤鬼なら、やっぱり追い掛けるわ!……でも、すぐに
    じゃあない……青鬼が結んでくれた『人との絆』を守りながら……
    鬼の、自分達の事を解ってもらうためにいっぱいお話して、いっぱい
    係わって……そしていつか青鬼の本当の気持ちを知ってもらうの……』
    「お話しただけで解ってもらえるだろうか……だって青鬼は、人の街
    で大暴れして人間達を困らせて恐がらせたんだろう?
    ……一度、貼られた印象はそうそう拭えるものじゃあないよ?」
    そう返すビリーに、タチアナはまるで自分に言い聞かせるように
    答える。
    『うん、だから……鬼は本当は優しいんだよ!暴れたのには理由が
    有ったんだよ……って何度も何度も人間の間でいっぱいお話して、
    いっぱい頑張って……そしていつか解ってもらえた時に、堂々と
    青鬼を迎えに行くの!……そして……そして、連れて帰るの!
    ……一緒に帰るのよ!!』
    何処か誇らしげに真っすぐこちらを見据え話すタチアナ……鳥籠の中の
    少女は、いつの間にか、ただ守られているだけの小鳥ではなくなった
    ようだった。

    「…ハハ、勇ましいねぇ。こんなに想ってもらえる青鬼は…本当に
    幸せ者だね」
    『……えっ?……ヤダっっ!?ビリー様じゃない!僕が青鬼だったら
    って言い出したのっ!?』
    組んでいた指を解き、金属の腕をガチャガチャさせながら照れ隠しする
    タチアナだったが、やがて落ち着きを取り戻した頃、またも両の手指を
    祈る様に「球」の前で組み合わせ……まるで、懇願するようにビリーに
    呼び掛けた。

    『……ビリー様……ビリー様は私の前から居なくなったりしないでね……
    ずっと、ずっと……私と一緒にいてね?』

    先程までとは真逆の、少女のあえかな呟きと、小さく鼻を啜る音が
    漏れ聞こえる。
    ビリーは、ただサングラス越しの笑顔で答えると、そっと彼女の元に
    寄り沿い、彼女の入る金属の殻を愛おしそうにひと撫ですると、
    「……さあ、タチアナ?約束だよ……もうお休み。夜更かしは乙女の
    珠のお肌の大敵だからね?」
    『…フフッ、やだぁ、ビリー様ったら!おじさんみたいな言い方っ!』
    「………おじ……」
    彼の物言いに、タチアナは鈴の音の様に小さな笑い声をあげながら、
    「球」専用のベッドへと移動する。

    彼女が床についたのを音で確認したビリーは、
    「お休み、タチアナ……良い夢を……」
    『ビリー様も良い夢を……お休みなさい……』
    勝手知ったる間取りの部屋、スイッチを手探りで操作し灯りを
    落とすと、ビリーは静かにタチアナの部屋を退出し、そおっと
    扉を閉めた。

    ビリーは、しかし部屋を出た後も扉に手を触れたまま、静かに
    考えていた。
    ……愛しい者の為に、傍に在ることを否定し、あえて自ら痛みを
    負う事を是とした青鬼…………俺は君に、果たして何が何処まで
    出来るのだろうか……

    夜も更けた人気のない薄暗い廊下……佇むビリーのサングラス越しの
    盲いたその瞳に宿る固い意志に気付く者は誰もいなかった。




    ……タチアナは呆然としていた。
    何か悪い夢でも見ているかのようだった。
    渦巻く熱気、怒号、喧噪の中、遠くに爆発音と何かが崩れ落ちる
    音が聴こえる。

    ……しかし、これは夢じゃあない。
    すぐ近くでは、円卓メンバーである鎧武者が打ち込まれた銃弾を
    取り出すべく治療を受け、そのすぐ傍では同じく円卓のメンバーで
    ある褐色の肌の少年が懸命に鎧武者に声を掛け励まし続けている。

    UMAバーンが起こす熱風が辺りを覆い尽くし、壁が焼け焦げる
    匂いが「球」を通して鼻孔に届く。
    そんな中、炎に包まれた掌が自分の前に差し出され、頭上から
    あの人の……
    最愛の……あの人の、自分を呼ぶ声が響き渡る。


    彼は“見たことのない”金色の瞳でタチアナを見据え……
    ……やがて“聴いたことのない”声で、こう言い放った。

    「…………なら、お前も敵だな。
    ………『不可触(UNTOUCHABLE)』」



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    ma-e-ka(仮)

    MAIKING今ループ、ふこちゃから”物語”を託され夢を叶え
    漫画家になった安野先生が或る漫画の連載をスタート
    させて…という幕間妄想甚だしいIFストーリーです
    アン風強火担の先生に二人の記念日イラストを描いて欲しい
    という妄想から何故か枝葉がモリモリ伸びて…
    妄想冗長過積載…相も変わらぬ拙文駄文…マジで好き勝手
    書いてる(いつもの事)ので、ホントに何でも許せる方
    向けです!
    (アニメ派の方は注意してね)
    『ねがい(仮題)』!注意!
    ・この話は漫画『アンデッドアンラック』の二次創作です。
    書きかけです…バカみてぇだろ?まだ続くんだぜ、これ(苦笑)
    ・今ループの風子から”物語”を託され、その後夢を叶えて漫画家
    になった安野先生が”或る漫画”の連載をスタートさせるべく…という
    幕間妄想甚だしいIFストーリーです(いつもの事)
    ・一応今ループのお話です…アニメ派単行本未読の方はご注意を!
    ・先だってのアン風記念日、気の利いた事も出来ない…そうだ!
    アン風強火担の安野先生ならきっと超エモい二人のイラストを
    描いて祝ってくれるはず…という妄想から何故か枝葉がモリモリ
    伸びて…一つのお話が脳内に爆誕しました(苦笑)
    本当に好き勝手書いてるので何でも許せる方向けです(ガチで)
    11030

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