でぉじょがイチャイチャしてるだけ DIOが、実に100年以上ぶりに人間に対して献身的に世話をしてやったお陰で、承太郎の体調は2日と経たずに快復した。
片手に食事の盆を載せ、すっかり慣れた手付きで自らの寝室の扉を開けようとして、豪奢な装飾のドアノブに掛かったDIOの手がはたと止まる。
部屋の中の愛し子の様子がおかしい。
人外たるDIOの耳に、ふ、ふ、と短く、荒い承太郎の呼吸が届く。
あやうく盆を取り落としかけて己がスタンドに承太郎への貢ぎ物を守られたDIOは、その男らしくも優美な指をわなわなと口元に宛てがう。
鋭敏な聴覚を更に研ぎ澄ますDIOの耳に届くのは、忙しない衣擦れの音、はぁと時折漏らされる熱っぽい吐息、極めつけに床に滴る、ぽたぽたという水音。
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