Step Left & Right「お疲れっしたー!じゃあかんぱーい!」
合図とともにジョッキがぶつかる音がして、よく冷えた琥珀の液体が体内に取り込まれていく。
暑い日の屋外、それも大仕事を終えた後ともなれば格別なそれを、一気にグラスの1/3ほどを飲んでしまう。
海岸沿いのスタジアムやイベントホールをすべて会場にした、夏にぴったりな二日間の大型音楽イベントを無事に終えて、他のパフォーマーの方々と打ち上げと称した飲み会に、俺たちLPBも同席していた。
普段あまり接点のないグループや人気バンドも飲み会に参加しており、そうそうたる顔ぶれの中に呼ばれて緊張していたこと、自分のメンバーとは席が離れていたことなど、要因はいくつもあったと思う。
気づいた時には、まずいなと自覚するほどには飲み過ぎていたらしく、そのうちどうにもならなくなってしまった。
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