キラキラ きらきらと輝くペンライトの海と、黄色い歓声。そんな異世界のような空間の中で、夢と希望を届ける職業_それが、アイドルである。
東雲彰人、天馬司、神代類の三人は、某大手男性アイドル事務所の研究生グループの中でも、最もデビューに近いと噂されるほどの人気を誇る『FANTASISTA SQUAD』のメンバーであった。
このまま実力を伸ばしていけば、きっとデビューできる、いや、してみせる。その心意気で過ごしていたある日、転機は訪れた。
「は?メンバーが…増える?」
「ああ。一人、『Enpire』のメンバーが引き抜きになったらしくてな…」
突然告げられた、新メンバーの加入。それはまさに青天の霹靂であった。
三人は入所時期は違えど、入所してから初めて組まされたユニットの一員であり、それなりに思い入れもある。活動期間も四年ほどで、今更デビューを目前にして新メンバーを入れるだなんて、彰人には受け入れがたい事実であった。
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