チュートリアル戦闘(セドハリ)セドハリも。今度はちゃんとアタッカー⚡
チュートリアルお試し書きとりあえず満足しました。
甲冑姿の石像たちが、音もなく迫ってくる。
ハリーは素早く杖を振り、目の前の敵に呪文を放った。
「エクスペリアームス!」
赤い閃光が石像の腕を直撃し、手にしていた剣がガシャリと音を立てて地面に転がる。だが、石像は怯むことなく腕を振り上げ、空の手でハリーに向かって拳を振り下ろしてきた。
「プロテゴ!」
ハリーは防御呪文を唱え、咄嗟に後ろへ飛び退る。重たい拳が青い防護膜に弾かれ、すぐさま次の敵が迫るのを感じた。横目でチラリとセドリックの方を見る。彼もまた数体の石像と応戦していた。
「アレスト・モメンタム!」
セドリックの呪文が石像の動きを鈍らせ、素早く後ろに回り込んで攻撃の機会をうかがっている。彼の動きは流れるように滑らかで、まだ余裕があるように見えた。それでも……
ハリーは息を整えながら、少しずつ後退している自分に気づく。攻撃をかわし、倒すことはできても、次から次へと襲いかかる石像の圧にじわじわと押し込まれている。足元がわずかにふらついたその時、不意に背中に固い感触が当たった。
「セドリック!」
「ハリー、大丈夫か?」
背中合わせになった2人は、互いの温もりを感じつつ、一瞬だけ息を整える。ハリーが横目でセドリックを見ると、彼の表情にはまだ冷静さがあったが、額には薄く汗が滲んでいた。
「このままじゃ……ジリ貧だ」
ハリーが息を呑みながら言うと、セドリックはすぐに視線を送ってきた。その目には、考えていることがはっきりと表れている。……やるしかない。
互いに無言のまま、わずかに頷く。
「せーの!」
ハリーが杖を高く掲げ、セドリックも同時に動く。
「コンフリンゴ!」
「デパルソ!」
2つの呪文が同時に放たれ、炸裂する爆風とともに衝撃波が押し寄せる。閃光が弾け、石像たちは一斉に吹き飛ばされ、壁や床に叩きつけられながら粉々に砕け散った。
煙がゆっくりと晴れ、ハリーとセドリックは荒い息をつきながら視線を交わす。
「やったな……」
ハリーが微笑むと、セドリックも満足そうに頷いた。
「僕たち、いいコンビじゃない?」
ハリーは少し照れくさそうに笑いつつ、再び杖を構える。
「まだ気を抜くのは早いよ。次が来るかもしれない」
セドリックも笑いながら、しっかりと前を見据えた。
「その時はまた一緒にやるさ」
2人は並んで立ち、再び戦いに備えた――。