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    ご都合二次創作の冒頭。

    殺意が足りず死に至る威力の出せなかったネズミちゃんが居てもいいよね?だって根の深いところは優しい子だもの!(ご都合妄想)
    書けない期がもうすぐ一年を迎えそうですが夢のサークル参加を目標に頑張ってます。書けなさすぎて心折れそうです。

    #セドハリ
    #作業進捗
    workProgress
    ##ミラあんだー

    セドハリ生存ルートifセドリックと医務室で再会した時、彼は校医のマダム・ポンフリーを猛烈に怒らせていた。
     扉を開けて中へ入った途端、医務室の奥の方で騒いでいた数人の人影が一斉にハリーを振り返る。そこには、ウィーズリーおばさん、ビル、ロン、ハーマイオニー……そして、マダム・ポンフリーに叱られながら手に何かを押し付けられているセドリックと、彼の両親がいた。みんなの顔がハリー見るなり、はっとした表情になる。その中で、誰よりも先にウィーズリーおばさんが「ハリー!」と叫んだと思ったら、その隣で白いシーツが宙へと放り出されるのが見えた。
     校医の止める声を振り払い、ベッドから飛び降りたセドリックがまっすぐハリーの方へ向かってくる。競技場で別れた時、セドリックは墓場で受けた呪いのせいで気を失っていた。あれから随分時間が過ぎたように思うのだけれど、意識を取り戻したらしいセドリックはまだ競技用のユニフォーム姿のままだった。泥だらけのユニフォームは所々が裂けたり黒ずんでいたり、見るからに酷い恰好で、治療も碌に受けていないのか腕を伸ばした時に見えた彼の手の甲には迷路の中で負った生々しい傷がそのまま残っていた。
     流れた血を拭うくらいの処置だけされた痛々しい手がハリーの背中を掴む。同時に、ハリーはセドリックの逞しい腕にしっかりと抱き締められていた。体に巻き付いた腕の引き寄せる力はあまりにも強くて、勢いでハリーの両足が一瞬床から浮き上がるほど。セドリックからの突然の抱擁に驚いていると、ダンブルドアの「おや」と柔らかく零れる声と、足元で犬の姿をしたシリウスが鼻を鳴らすのが聞こえた。幸い、自身より一回り背の高いセドリックの体に頭まで埋もれているおかげでダンブルドアの微笑ましいものを見る目と視線が合うことはなかったけれど、ハリーは自分を搔き抱いたセドリックに戸惑い、彼の背中におずおずと手を添えながら「セドリック?」と問いかけるのがやっとだった。
    「ハリー……無事でよかった!」
     胸の鼓動を分け合うようなきつい抱擁をしながら、セドリックが喉から絞り出すような声で言った。その言葉に、医務室がしんと静まり返る。嗚咽にも聞こえる掠れた声の痛々しさを間近に聞いた瞬間、ハリーは胸に鋭いものを突き立てられたような気分になった。ずきりと痛んだ胸の息苦しさに、気が付くとハリーはセドリックの背中に添えた手を力いっぱい握りしめていた。セドリックにも負けず劣らず、なんなら彼よりも血に汚れたユニフォームの袖が、べったりと彼の背中に張り付くのがわかる。冷水を浴びせられたみたいにぎゅっと痛んだ心臓がどくどくと早まり、彼の背中に縋り付いたハリーは「セドリックこそ」と言おうとして、上手く吐けない息に声を詰まらせた。
     あの時、彼は死んだのだと思った。緑の閃光に包まれ、煤けた地に崩れ落ちる身体。何も出来ないままあっという間に起きた出来事に、僕は呆然と見ているだけだった。
     抱き締める腕の力と、あたたかな身体。あの恐怖を思い出した途端、馬鹿みたいに震え出した体がさらにきつく抱き締められる。
    「ごめん……ごめん……僕のせいで、セドリックまで危ない目に遭わせてしまって。あれは、あいつが僕を狙った罠だったんだ……」
    「しぃー……黙って」
    「……!」
     思い出すと同時に、体の芯から溢れ出す冷たい感覚に震えながらもなんとか話そうとすると、それをセドリックが止めた。セドリックの声には、命に関わるほどの危険に巻き込まれたことを非難する棘など一切なく、意外なほどさらりとしたものだった。
     ついさっき校長室でダンブルドアに話した、事のあらましをもう一度話そうとしていたハリーは口を閉ざす。息も満足にできないほど強く抱き寄せてくる彼が、どんな表情をしているのか見ようとして顔を上げたハリーは、思いのほか近くにあるセドリックの顔を見て目を丸くさせた。間近に見る灰色の瞳が安心させるように細められるのを見て、ハリーは生者にしかない目の輝きを前にすると強張っていた体からふっと力が抜けるのを感じた。同時に、震えがおさまっていくハリーの背中をしっかりとした手で力強く撫でられる。
    「今はまず、君も休んだ方がいい。話なんてそれからでもいいだろ? 明日でも、明後日でも、話ならいつでも聞けるんだから」
     ゆっくりと話すセドリックの声は、冷えた体を内側から温めるような優しいものだった。
     正直、気力も体力も使い果たしていたハリーは、もう一度あの光景を思い出して話すのはとてもじゃないが無理だと思った。それでも、あの場にいたセドリックには話さなければと思っていた。それを本人に止められて、ハリーは安堵と感謝の気持ちでいっぱいになる。感情が溢れそうになりながら彼の名前を呟いたら、セドリックはハリーの名前を落ち着いた声でゆっくりと呼び返した。
    「さて、そろそろいいかね?」
     おほん。視界いっぱいに互いを納めて見つめ合う二人のすぐ隣で、ダンブルドアの咳払いがひとつ。それでようやく、たくさんの見守る目の存在を思い出したハリーは慌ててセドリックの背中を離した。
    「共に死線を乗り越えた者同士のこと。割って入るのには、ちと無粋かもしれんがの。彼も言うように、二人とも。今は休むことも大事じゃろうて」
    「はい……先生」
     流れる空気の気まずさに、火が吹き出そうなほど赤い顔を押さえて頷く。今は、誰の顔も見ることができそうにないと思った。
    「ハリー。今夜あったことは明日、わしが皆に話をする。それまではここでしっかりと休むといい」
     そう言うと、ダンブルドアは医務室を去った。
     残されたハリーは友人たちに何かを言う暇もなく、眉尻をきつく吊り上げたマダム・ポンフリーによってセドリックと隣り合ってベッドに押し込められた。セドリックに至っては、ハリーのことを心配するあまり治療を後回しにしてベッドから逃げ出そうとしていたらしく、少々荒っぽいマダム・ポンフリーによって薬の入った小瓶を口に突っ込まれていた。睡眠薬の類なのか、一瞬で気絶したように眠るセドリックを見てハリーは戦々恐々とする中、手渡されたゴブレットに口を付ける。夢も見ずに眠ることができるという薬の垂らされた水は、数口飲んでみるとすぐに眠気がやってきた。疲れていたハリーは心地よい睡魔に引き寄せられながら目を閉じて、薬を飲み干す前に羽根布団の温もりの中に沈み込む。深夜に訪れる新たな騒ぎがやって来るまで、ハリーは静かに眠りに落ちた。
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    mi4ra1_under

    DONEバレンタインデーをきっかけに恋が芽生える王道もセドハリなら通れます。
    好意が恋へと育っていく瞬間を目撃した双子が今後二人の恋をサポートしてくれるかもしれないし、適度に邪魔してくるかもしれない!どっちも読みたい!
    バレンタイン/愛の日 2月14日。バレンタインデー。
    愛の日とも呼ばれている今日は何だか城の中が浮ついた空気に溢れている気がして、そんな日に廊下でばったり出会ったせいか彼の顔を見た時(何かあげたいな)って思ったんだ。ポケットを探ったらたまたまそこにハニーデュークスの高級チョコレートが入っていたから、話の途中に何の気なしに「ハッピーバレンタイン」ってチョコレートを差し出していた。すると甘い笑顔が良く似合う彼の体が石みたいに硬直してしまったのを見て、渡すタイミングを間違えたかもしれないことに僕は遅れて気がついた。

    「ありがとう、ハリー!」
    「ひぇ……」

    石化から戻ってきたセドリックがチョコレートのお礼にと広げた腕に囲われてつい、情けない声を漏らしてしまった。ぎゅう、と柔らかく抱きしめる腕と壁のような硬い体のあたたかさに埋もれて思わず顔が赤くなる。他意なく渡したたった一枚のチョコレートで男女問わず人気のある校内屈指のハンサムからハグが返ってくるなんて、思ってもみなかった。そこにさらに、自分に対してだけの特別なものなんだと錯覚させるとびきりの甘い笑顔まで付いている。正直言ってキャパオーバーだ。沸騰しそうなくらい熱くなった顔を見られる恥ずかしさに狼狽えていると、するりと腕を解かれてあたたかい体が離れていく。ほっとしたような寂しいような気持ちで彼を見ると、セドリックは大事そうに手にしたチョコレートを眺めてからへにゃりと眉尻を下げた。困ったようなその顔にハリーが首を傾げると、
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    mi4ra1_under

    DOODLE昔はモブ×受好きだったんです。
    モブハリから双子ハリへ続く妄想を頭の中で捏ね捏ね中。現パロにした方が自由に書けそう
    あなた一体誰なんですか? 君のことが好きだ、愛してる。
    元の顔色が分からないくらい真っ赤になって告げられた言葉に、何を言われるのかと身構えていたハリーは少なからず衝撃を受けていた。あまりにも驚きすぎて、閉じるのを忘れた目が乾いて、なんなら息の仕方も忘れてしまう。身動きひとつできないまま自分の腕を掴んでいる相手のことを呆然と見上げるハリーのことを、相手もまた熱心に見つめ返していた。背が高くて、ハンサム。短く切り揃えたブラウンの髪と健康的に焼けた肌の色。瞳は髪と同じブラウンで、緊張のせいか白目が少し赤くなっている。視覚から得られる情報というのはそれくらいだった。どこの誰かも知らない、見ず知らずの男。記憶をしまっている箱の中をどれだけ引っくり返して探してみても何処にも見当たらない初対面の相手に次の瞬間、ハリーは口を塞がれるという体験をすることになる。それも、男の唇で。初めてのキスを何の許可もなく奪われて、普通だったら相手を突き飛ばして絶叫しながら逃げ出すような状況だろう。それなのに、この時の僕は何故かそれを受け入れてしまっていた。それくらい、好きと愛してるを組み合わせた告白の威力は、僕には効果覿面だった。
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    mi4ra1_under

    DONEそのうちローブの下に潜っていくのが定着してくる。ハート先生からハリを守る双子
    お願い、僕を匿って! 中庭に面した廊下を歩いている途中、面白いものを発見した。
    揺れる低木から突き出ている人の下半身を前にして、フレッドとジョージは互いの視線を交わす。

    「こりゃ一体、どういうことだと思う?」
    「さあ? 事情はまったく想像できないが」

    言いながらジョージはにやっと笑った。

    「なんだか見覚えのある尻だと思わないか?」

    細い枝が密集した低木の下にしゃがみ込み、今もなお葉と枝の中へ突き進もうとしているその人物へ、フレッドとジョージは声をかけた。

    「やあ。間違いなけりゃ、ハリーだよな?」
    「何処かへ向かう途中かい? そこに道なんてあったっけ?」
    「あ!フレッド?ジョージ?」

    二人の呼びかけに、枝葉の中から返事があった。聞き覚えのあるその声に、ジョージの推測は正しかったということが分かる。枝をみしみし軋ませながら下がってくるその姿にフレッドとジョージはもう一度視線を交わした。笑うのを堪えた顔で見合って、こくりと頷く。ようやく体の上半分まで現したハリーの真面目な表情が見えたとき、二人は笑わないでおいて良かったと心底思った。全身小枝と葉っぱに塗れ、くしゃくしゃした黒い髪にまで枝葉を絡ませたハリーはそれらを取り払うよりも先に伸ばした手で、フレッドのローブの端を掴んだ。
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