今書いてる1817の本編までの導入部分。「18‼︎」
賞賛と絶望を一斉に持ってきた爆発音と硝煙に、数字を叫んで無我夢中で駆け寄った。たかが数字、されど俺たち『ミッキー・バーンズ』におけるこの数字は今や個々を示す第二の名前となっている。
やっと過去の全てを知った上で分かり合える相棒、兄弟という存在よりも密に自分を知る相手、かけがえのない家族と言っても良いと思えた奴の数字(なまえ)を何度も叫ぶ。
鉄屑の隙間に倒れる自分と同じ顔をした男。その片腕があった場所は肉塊と化し、胸郭から下は何も無い。おそらく片肺は爆撃で潰れ、微かに聴こえる呼吸はゼェヒュゥと濁音混じりでか細く汚い音を繰り返す。
生きているのが奇跡だ。それは俺ですら分かった。何度叫んでも土気色をした顔はこちらを見ることはなく、薄目から覗く瞳はおそらく何も映しちゃいない。絶望的だ。
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