Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    星澤雷光

    @hoshizaw

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 48

    星澤雷光

    ☆quiet follow

    あつまれヒトデアの森~どう見てもカプリ島じゃない~の導入を書いてしまった。

    あつ森時空だよ 到着のアナウンスの声、着陸した飛行機の中で目が覚める。ここは一体どこだろうと思いつつ地面に降り立ち広がる青空と海を見て、ああ、ここはカプリ島だ。そう思った。
     どう見ても記憶の中にあるあの忌まわしくも美しいカプリ島ではない。だがカプリ島だという確信にこれは夢だと気付く。これは夢の中特有の何故か「そうである」と感じるあの確信だ。
     二足歩行の動物に案内されこの地で無人島暮らしをすることとなった。無人島の開拓……いつかのサマーメモリーを思い出した。ここは夢の中あるいはどこかの特異点であろうか。マスターはもちろん他のサーヴァントの姿は見当たらない。ともかくここで様子見がてら過ごすしかあるまいとDIYした釣り竿を強く握れば早速折れたのでもう1度作り直した。

     牛若丸が時たま言う「ぽんぽこりん」について以前マスターが説明していたことがあった、その時に可愛らしい生き物の絵を描いていたがあの動物によく似ている、確かタヌキといったか。極東の珍獣……聖杯の知識で日本や極東にしかいない非常に珍しい生き物だということをサーヴァントの誰かが告げるとマスターは大層驚いていた。日本では非常にポピュラーな動物だからそうとは知らなかったと言っていた。
     ……話が逸れた。そのタヌキと思しき動物の言うことを聞き、しばらく無人島を開拓し暮らしているとある日、新たな住民が加わったとの島内放送が流れた。その名に思わず駆け出す。浜の傍に張られたテントから空と海を眺め佇む金色の髪の少女の姿が見えた。
    「ネロ!」
    「伯父上?!」
     名を呼びながら駆け寄り、愛しい姪を抱き上げる。ネロは驚きつつカリギュラの顔をまじまじと覗き込んだ。
    「伯父上、なんと……また若返ったか? 荒々しさはむしろ減ったようだが」
    「うむ……生前カプリ島に囚われていた19歳の頃と言ったところか……そのおかげか女神の加護も薄いようだ」
     あの頃はまだ月の女神に愛されてはいなかった。抱き上げたネロをゆっくりと砂浜の上に降ろす。
    「ふふ、幼い日のように髪を下ろして愛らしいな、ネロ」
    「む、余もいささか若返ったか? 流石に伯父上の膝に乗って本を読んでもらっていた頃ほどではないと思うが」
     ネロは己の姿を見下ろしながらくるりと回る。
    「ここは夢か現かどこぞの特異点であろうがネロ以外のサーヴァントは未だ現れておらぬ。マスターもだ……ゆえにマスターが来た時に備え色々と画策しておる」
    「うむうむ、具体的にどのようなことを?」
    「何も無い無人島では調査も難しかろうと拠点を発展させていっているのだが、せっかくならばマスターがいつか語った故郷の風景を再現したく思ったのだ。特に日本の祭り……縁日が好きだと言っていた、あの光景をもう一度見たいと」
     マスターの故郷に多く生息しているというタヌキを見ていてふとそう思ったのだ。
    「おお、良いな! ふむ……ならば余はここでテルマエ……日本でいうところの温泉旅館というものを造ってみるか! 以前、閻魔亭に痛く感動しておったからな、マスターはああいうのが好きなのだろう。余も閻魔亭に負けぬ温泉宿の女将となってみせよう!」
     こうしてカプリ島(?)の発展計画は進んでいくのであった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works