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    あさぎ

    @Yc6Zee

    ガンダムの落書きとか駄文を書いてみようと思います。
    適当に、適当に!

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    あさぎ

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    お誕生日プレゼント
    完全なる
    『ヤオイ』話。ヤマ無しオチ無し意味無しww
    実はここが元ネタ、BLリバーシ。
    https://inkei.net/reversi/

    #クワブラ
    quebra
    #クワバズ
    mulberryBuzzard
    #Ζガンダム
    #クワトロ・バジーナ
    quattroBasina
    #ブライト・ノア
    brightNoah.

    オセロ寄港先での艦外打ち合わせに出ていたブライト・ノアが帰ってきた。
    アーガマの艦内、重力抵抗の無い廊下で、浮かない表情を浮かべ、軽く溜め息を吐きながらブライトは、クワトロ・バジーナとすれ違う。
    「艦長、また面倒な事を言われたのだろう?」
    ブライトの表情を見て取ったクワトロは、そう話し掛けた。
    「…ああ、口で言うだけなら誰にでも出来る。させられる側の身になってもらいたいものさ。」
    無理難題な命令の愚痴を、心に留め置かずに、こうして口に出して仕舞える事が、ブライトの気持ちを楽にさせた。細やかなやり取りでも吐き出せる事は救いだ。
    「あ…大尉、それは?」
    生まれた意識の余裕に、ブライトの視野が広がる。クワトロの左に抱えた厚みの無いケース。
    「ああ、これは、オセロだ。ふと、懐かしくなってね。クムとシンタがゲームをしたいと言うから見繕ってきた。」
    「今時の子供が喜ぶか?」
    「シンプルな物の方が良いと思ったが。
    艦長、気晴らしに一ゲーム、してみるか?」
    端正な顔立ちが、口角を上げた。
    クワトロは、ブライトの行き先を全身で遮る様に、前に回り込み、自らの手に有る箱をブライトに渡し、ブライトの手に有る書類を引き抜いた。
    「これは私宛だろう。」
    「ああ、そうだ。」
    「後程部屋へ伺う。」
    ブライトの返事を待つ事もなく、クワトロは機微を返し廊下の奥へと消えた。
    ブライトは呆気にとられ、返事もしなかった我が身に戸惑う。
    これは、有無も言わせず、だ。
    「…オセロ…ね。」
    彼と対戦して勝つ、訳が無い。
    …気晴らしに、される側だな。
    ブライトの溜め息が、また、漏れた。

    ┄┄┄┄
    「…貴方の、勝ちだな。流石だ、艦長。」
    クワトロは、楽しげな笑みを浮かべて、コマを綺麗に回収していった。
    勝った筈のブライトの方が憮然とした表情で、苛ついた眉を、ますます吊り上げた。
    「…わざと、手を抜いた、でしょう…」
    「久々だったので、手順を間違えた。一度、狂うと修正が出来なかった、というか、貴方がそれをさせなかったのだろう。単純な物の方が、反って難しい。
    なんならもう一プレイ、如何か?」
    納得行くまで付き合う、と、ばかりに、サングラスの奥の瞳が、ブライトの眼差しを捉える。
    「私が真剣でない、と言うなら、賭けをしても良い。勝った方の言い分をひとつ、聞く。今度は私が先行させて貰う。どうか?」
    乗せられた気が、しないでもないが。
    「こういうゲームは、ブライト艦長はお好きかと思ったが?」
    畳み掛ける問い掛けに、ブライトは息を吐く。
    「分かった。もう一度。…確かにオセロやチェスは、嫌いじゃない。」
    「だろう。」
    クワトロの頬が緩やかに笑みへと変化する。
    相手の手の内を読み、先回りを考え、封じ込めをして、…単純で在るから、面白味が増すのだ。
    しかし、対戦相手が、クワトロ・バジーナとなれば、遊びで乗るものでは…無いが。
    「さ、次は艦長の番だ。」
    白黒の四つ交互に置かれた丸い駒に、大尉は自駒の黒を置き、一枚白を裏返した。
    雑念は、今は消し去る。迷った方が負けるだろう。非情で有るべきだ、たかがゲームであろうと。
    彼のサングラスの奥の瞳。それを覗き込む視線を、ブライトは投げ掛ける。
    「艦長は盤上ではなく、私を、視るのか?」
    不思議そうな声音で、話すクワトロは何処かのびのびと寛いだ空気を醸し出す。
    「ゲームと言えど、私は貴方ほど、余裕は無いよ。」
    クワトロから出る、余裕ある空気が、自分に無いモノに思えて、益々真剣にならざるを得ない。
    一つ差す毎に盤の彩りが、代わる。
    黒が拡がり、また、白が拡がる。
    一差し毎にブライトはクワトロの顔を見た。
    目線がちゃんと合っているのか。
    何処を視、何を思い、どう…動く?
    …それは、オセロの事か?それとも…
    「…艦長の、番だ。」
    クワトロも、ブライトと、視線を合わすように顔を上げ、真顔になり、ゲーム盤へと視線を落とした。
    特別な話をする訳でもなく、只、じっくりと、互いに、盤の上にコマを置き進めた。

    「やはり、貴方の勝ちだな。」
    黒と白の数を数え終って、クワトロは笑った。
    僅差ではあったが、若干白が上回っていた。
    ブライトは、大きく息を吐いた。
    冷や汗が出る。オセロごときに全神経を注いで、勝ちはしたが、かなり精神が消耗した気になる。
    「で、艦長の勝ちなのだから、何か、私に、課して貰おうかな。」
    手際よくゲーム盤を片付けながら話すクワトロの口調は、あくまでも穏やかで、和やかであった。
    負けて悔しい…訳ではないのだろうな。
    そう、たかがゲームで、懐かしい遊びのひとつで、リラックスする気晴らしの時間であったのだ。負けまいとカリカリしたこちらが、子供の様で…そんな意識の違いを、感じ取る。サングラスの奥まで見れないもどかしさが、ゲーム中の自己の苛立ちの元に思えた。
    流石、彼は、『かの人』なのだ。
    意気込んで何になる。
    そう、気付けただけでも、良い時間であったのだ。
    しばらく考え込んだブライトは、ゆっくり口を開いた。
    「…では、そのサングラスを、外して欲しい、かな。」
    クワトロは、片付けの手を止めて、ブライトへ視線を向けた。
    「人として信頼しあう為にも、お互いの眼が、瞳が見えないのは、互いの間に、壁が有るように思えてならない。
    目線が合わないと、妙な勘繰りが、脳裏を掠めたりするもんだ。人は自分を守る為に、不安材料は取り除きたいと思うし、穿った考えを起こしもする。同じ艦のクルーをそんな風に思いたくないし、…それに…」
    「分かった。貴方の言わんとする事の意味は解る。…これで良いのだろ?」
    クワトロは、黒のサングラスを外して、ブライトの視界に立った。
    「艦長、そんなに気を遣った言い回しをしなくても、良い。」
    端正な顔立ちと、物憂げな眼差し。サングラスを外しての室内灯の眩しさに、彼は眼を細めブライトを、見つめ返した。眩しさに慣れないと言うように、蒼いアイスブルーの瞳が、揺らめく。
    彼とこんな風に視線を合わせたのは、初めてかもしれない。
    サングラスに隠してしまうには、勿体ない顔立ち、いや、だから、隠しておかなければならないのか?
    覗いてはならないものを、見つめてしまった気がした。
    「艦長、顔色が、悪く見えるが、私の気のせいだろうか?」
    「…いや、久しぶりにこんなに真剣にゲームをしたせいか、気疲れしたのかな…今日はお開きにして良いか?」
    真正面からクワトロにぐいと視射られ、ブライトの意識がたじろぐ。
    素顔のクワトロ・バジーナ。
    ちゃんと視線が合えば、何か、話が出来る気でいたのだが。
    互いの腹の中を割って話すには、なんとなく、今、気持ちが乗っては、行かない。
    「こちらこそ、本来休息時間に付き合わせたのだ。申し訳ない。」
    片付けたゲーム盤を手にクワトロが、部屋を出ようとし、振り返った。
    「サングラスを外すのは、艦長の前だけで良いだろう?ゲームに勝ったのは貴方だ。勝った貴方の前だけで外すべきだろう。」
    何の躊躇いも無いとばかりに、ブライトに笑い掛ける素顔のクワトロの、屈託のない優しい微笑み。
    「…あ、ああ、…そうかもしれないな。」
    こんな、表情を持っている、者、なのか。
    サングラスを掛ける理由が、彼なりに有る筈で、そこを問わずに、乱暴な注文をしたか…。
    「私にはとても楽しい満ち足りたひとときだったよ。」
    そう一言残して、クワトロ大尉は、扉の向こうへと、消えた。

    ┄┄┄┄┄┄
    クワトロ大尉が、ブライト艦長と二人きりの時は、サングラスをわざわざ外して話をする。
    と、艦内での噂話になっているとヘンケン・ベッケナーから、二人の間に何があったのかと、好奇な視線で尋ねられたブライトの背中に、冷たい汗が流れたのは、それから数日後の事となる。
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