バニーのついでに取り立てるご都合血鬼術の餌食になってしまった上弦の陸・妓夫太郎。可愛らしい白毛のうさ耳とうさ尻尾が生えた姿となってしまう。
「なんっっで鬼の俺にかけてんだよ!!あんの雑魚鬼!!!」
「ドンマイ」
自分に謎な血鬼術をかけた鬼にブチギレている妓夫太郎を、音柱・宇髄はニヤニヤと余裕の笑みを浮かべて見つめていた。
「ッ…ジロジロ見んじゃねぇよクソがっ!」
「別に良いだろ?見るだけならタダなんだからよ」
「金取るぞ」
「へぇ〜…いくらだ?」
「払う気かよっ」
「そりゃな。上弦の陸がこんな可愛い姿になっちまうなんて早々見れるもんじゃねぇからな」
挑発的な笑みを浮かべたまま、宇髄は妓夫太郎の顎をクイッと指で持ち上げペロリと舌なめずりをする。
「何考えてやがるっ…」
「…兎ってよ、万年発情期らしいぜ?」
「それが何っ…」
「もしかしてソコも兎化しちまってねぇかなと思ってな」
舐め回すように妓夫太郎を見つめてくる宇髄。その瞳はいやらしいというよりも妖艶で、その視線だけで抱かれているような気分に陥ってしまう。そんな宇髄の視線に妓夫太郎は頬を赤らめていき、体温を上昇させていく。鼓動も何やら騒がしくなっていき、それを悟られぬよう平静を装おうとするが、
「何だ?もしかして、図星だったか?」
勘の鋭い宇髄には直ぐにその変化は察知されてしまう。特に妓夫太郎のそういった変化には敏感な男だ。隠し通せるものではないと妓夫太郎は諦め、ハァ…と溜め息をつき、
「そうだよ。発情してんだよ。だったらどうすんだぁ?ん?」
ニヤニヤと笑みを浮かべながら妓夫太郎は宇髄の頸へ腕を回していく。
「オメェがこの発情を治めてくれんのかぁ?色男さんよぉ」
「当ったり前だろうが。誰が他の奴にお前の発情を治めさせるかってんだ」
「ヒヒヒッ。んじゃ、たっぷりと可愛がってくれよなぁ」
「おう任せとけ。ド派手にイかせてやるよ」
細い腰を逞しい腕で抱かれ、妓夫太郎は胸を高鳴らせる。
挑発的な笑みを浮かべ、誘うような真似をしたが、内心はかなり焦っていた。自身の身体は本当に発情していたからだ。
欲しい…愛する男の熱をこの身に…と。
そんな状態で抱かれたら自分は確実に溺れてしまう。この男に、ズブズブと…。
(ま、もう引き返せねぇとこまできちまってんだけどなぁぁ)
重ねられる唇。絡まる舌。口づけだけでも蕩けてしまいそうになる。
(こんなに取り立てられちまったんだ…だったら俺もキッチリ取り立てるしかねぇだろ)
妓夫太郎は抱かれながら宇髄を抱き締める。宇髄の心を取り立てる為に。自分からとことん取り立てて奪っていった宇髄から、その愛を…。
「抜かずに何発ヤんだテメェはよぉぉ!!テメェの方が万年発情期じゃねぇかぁぁッ!!!」
「可愛いお前が悪いっ」
妓夫太郎は知らない。自身が既に宇髄の心を取り立てきっている事を。