やって来ました異世界突如現れた光に包まれ、音柱・宇髄天元は目を瞑った。光が晴れた事を瞼越しに確認し、スッと瞼を開ければ、目に映る光景に思わず言葉を飲み込んでしまう。
「ここは…」
自分は確か先程まで吉原遊廓で、上弦の陸の兄と対峙していた。だが、目の前に広がる光景は地平線の見える喉かな農道……
「……またココに来ちまったのか」
宇髄は見覚えがあった。この光景に…。
ふと自分の身なりを確かめると……
「…やっぱり今回も変わってやがる。つか何だ?この地味〜な服は」
まるでおとぎ話に出てくる翁のような和風の格好。そして、手には日輪刀ではなく、何やら橙色の南瓜風の篭。中には洋風の菓子が入っている。
「…あ〜。もしかしてもしかしなくても『花咲かじいさん』か?この眉目秀麗な俺様が?」
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