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    伊那弥彪

    ラクガキと二次創作文物置。支部にアップしたりする。

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    伊那弥彪

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    現パロ宇兄弟×妓、宇妓、宇弟妓。青い鳥である方のツイートに影響受けて書いたチャラ男クズ宇兄弟ネタ。何でも許せる方向け。チャラいかクズいかは知らん!

    ##宇妓
    ##現パロ

    クズ兄弟に挟まれてどうしてこうなったのだろうと少女は考えた…考えても考えても答えは出ない。自分はただ、カラオケでストレス発散をしたかっただけだ。辛い毎日…溜まる鬱憤…それを唯一発散できるのがヒトカラだったのに…

    「あれ?もう歌わねぇの?君の歌声もっと聞かせてくれよ」
    「…この曲とか良いんじゃないか?」

    ソファーに座る少女を2人の大柄な男が挟んで座っている。1人は、艶のある長い白髪を結び、左眼に赤いタトゥーを施した男…もう1人は、黒の短髪で常に表情を崩さない男…その2人の男はそっくりな顔からして血縁である事は伺える。
    少女はこの2人と一緒に来たわけではない。先程も言ったが1人でこのカラオケにやって来た。歌い始めて十数分経った頃か…部屋のドアが突然開いたのは。少女がまず思ったのは、店員の存在だった。自分は何も頼んでいないが、部屋を間違えたのかな?と…だが、振り向いた先にいたのは、店員とは思えない私服を着たこの2人組だった。少女は硬直した。見ず知らずの男2人が急に入室してきたのだから当たり前だ。少女は勇気を振り絞り、「へ、部屋間違えてますよ」と告げた。だが、白髪の男はニッコリと笑って「いいや?間違えてねぇよ?」と答え、そのまま少女の隣に座った。黒髪の男もそれに続き、白髪の男の反対側に座っては、2人で少女を挟む形を取る。突然の事で少女はただただ身体を硬直させた。意味が分からない…と。

    「どうした?俺の顔そんなジロジロ見て。惚れちまった?」

    別にジロジロ見てはいない。視線を一瞬向けただけだ。その一瞬で、白髪の男と視線が合ってしまう。ニコリと笑う顔はとても綺麗だった。少女は生まれて初めて整った顔から笑顔を向けられ、思わず胸を高鳴らせてしまう。

    「もしかして今ときめいた?」

    男の顔が近付いてくる…少女はヤバイと思い、反対に視線を向けるが、そこでもまた視線は重なってしまう。無に近いその表情は、ジーッと自分を見つめ続ける。笑みとは違う美しさを持つその表情にも、少女はまた胸を高鳴らせる。

    「…俺にもときめいてくれたようだ」
    「はぁ?マジで?あれれ?もしかして君…俺ら2人を相手にしてくれんの?」

    その男の言葉の意味が分からなかった。ただ、自身の胸は激しく鳴り響いているのは分かる。それは恐怖からなのか、喜びからなのか…。

    「胸も大きいねぇ。彼氏に揉んでもらったりして大きくなった感じ?」
    「ぁ…か、彼氏は、ぃままで、ぃた事は、なぃ、です…」
    「ええぇ、そうなの?こんなに可愛いのに?」
    「か、可愛くなんか…なぃです……」
    「可愛いって。ほら。顔上げてみ?」

    甘い言葉が少女を惑わしていく。言葉だけではない。舐め回すような視線、落ち着いた低い声、柔らかい口調…それらは全て少女が初めて向けられたもの。

    「いいや。俺はこっちに向いてほしいな」

    白髪の男へ向けようとした顔は、少女の意志とは関係なく反対へと向けられる。指が顎を撫でる。太い男の指…それでいて綺麗な指…それはまるで恋愛ドラマで見た事のあるような……今まで味わった事のない雰囲気に少女がうっとりとし始めていると、背後から甘い声が囁いてくる…

    「なぁ…もし良かったら、このまま俺らとどっか行かね?3人でさ…楽しい事しようぜ」

    癖のあるその黒髪を指で絡みとられ唇を当てられる。肌には触れていない筈のその感触に少女は思わず肩を震わせた。

    「可愛い反応してくれんなぁ」
    「あぁ。本当、可愛い」

    甘い誘惑に少女は言葉を詰まらせる。詰まらせて視線を泳がせて…熱い視線が少女を襲う……その視線は少女の倫理まで犯し始め…

    「……申し訳ございませぇぇぇんお客様方ぁぁぁぁッ」

    少女が誘いへの返事をしようとした時、ドアから不機嫌な濁った声が聞こえてきた。

    「あなた方2人は別の部屋でしたよねぇぇぇ?勝手に別のお客様の部屋に入られては困るんですけどぉぉぉ?」

    振り向けばそこには男が立っていた。睨むようにこちらを見つめる鋭い青い瞳……顔に特徴的な痣のあるその男は、受付で見たこの店の店員だった。

    「……あれ?そうだっけ?」
    「……部屋番号間違えたか、この愚兄が」
    「いやお前も一緒に入って来たじゃねぇか」

    店員からの指摘に、2人は立ち上がる。特に悪びれる様子もなく、何事も無かったかのように部屋から出て行く2人。その際に白髪の男は少女へと振り向き、

    「部屋間違えて悪かったなお嬢さん。店員さん、俺ら持ちでこの子にポテトあげといて」

    そう告げて、自分たちの部屋へと向かっていった。それを見届けた店員は、少女へペコリとお辞儀をし、「後でスナックセットデラックスお持ちします」と伝え部屋を後にする。
    部屋に一人きりとなった少女は愕然とした…あのまま店員が来なかったら自分はどうなっていたのだろかと…考えれば考える程、先程の事が異常だった事に気付き、身を震わせた。



    ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



    裏の従業員出入り口から1人の男が外へと出てくる。それは先程の店員だった。仕事を終え、私服に身を包んだ店員は疲れた表情を浮かべ歩き出す。そこに…

    「よう。仕事お疲れさん」

    店員を待ち構えていたかのように、先程の2人の男が立っていた。その姿を目に映すや否や…

    「死ね」

    そう吐き捨てる店員。

    「ええぇぇ。お前の仕事終わんの待ってたのに、んな事言うかぁ?」
    「死ね」
    「…買っておいたぞ、これ」
    「死ね」

    黒髪の男が差し出した缶コーヒーに目もくれず、店員はただ「死ね」と吐き捨てるばかり。

    「マジで死ね。クズ兄弟」

    ギロリと睨みつけ、不機嫌オーラを醸し出す店員…

    「…ヤッバ。上目遣いメチャクチャ可愛い」
    「うん。可愛い」

    身長差からどうしても見上げる形となってしまうが、店員は上目遣いをしているつもりは一切無い。それなのに飄々とした態度を取る2人に、彼の怒りは募っていく。

    「営業妨害で訴えっぞ、クソがッ」
    「ん〜?別に俺らは営業妨害してねぇよな?」
    「1人寂しそうな女と仲良くカラオケしようと思っただけだ」
    「それが営業妨害だっつうのッ」
    「相手もその気になってたんだ。何も問題ねぇよ。それとも何か?俺らはナンパしちゃいけねぇの?ん?」

    白髪の…おそらく兄弟の兄の方が店員へ近付き、顎をクイッと指で持ち上げる。ニマニマと余裕の笑みを浮かべる兄。そんな兄に対して、店員はギロリと睨んで唾を吐きかける。吐きかけられた唾が頬に当たり、兄は一瞬表情から笑みを消した。普通ならばここで憤怒するだろう。だが、この兄は違った。ニヤリと不敵に笑っては、掛けられた唾を親指で拭い、それを舌でペロリと舐める…そして、呟く一言…

    「妓夫太郎くんと関節キスいただきぃ」
    「ずるいぞ。俺も」
    「もう黙れや!このクズ変態兄弟がぁぁッ!」

    睨んでも、唾を吐きかけても、どうあってもこの兄弟のペースに飲まれてしまう。店員…妓夫太郎の情緒は最早限界に達していた。

    「人のバイト先でこれ見よがしに女をナンパしやがって!!これで何度目だよッ、ぁッ!?その気がねぇのに女を誘ってんじゃねぇよクソがっ!!」

    今日が初めてではない。この兄弟が、妓夫太郎のバイトの日にのみ、このカラオケで女性をナンパするのは。その度に毎度あぁやって止めに入って…2人が事を成す前に動かねばと気を張り巡らせる中、店員の仕事もしなければならない妓夫太郎は気が気でない日々を送る羽目になっていた。そんな妓夫太郎へ兄は悪びれる様子もなく言い放つ。

    「ん?別にその気はあるぜ?」
    「……は?」
    「お前が止めに来なけりゃそのまま女とホテルにでも行くつもりで毎回声掛けてっし。なぁ?」
    「うん。そのつもりだからちゃんと選りすぐんでいる」

    その言葉に妓夫太郎はハッとした。いつもこの兄弟がナンパをするのは、癖毛でミディアムヘアの黒髪の女だという事に……誰でも良いというわけではなく、ちゃんと自分達の好みに合った女をナンパしている…それはつまり、上手く話が進めば、最後までヤるつもりだという事……

    「ッ………!」

    自分には関係ない。この兄弟が女とホテルでイチャつこうが自分には関係ない。その筈なのに…何故か胸がズキンと痛む…その痛みに妓夫太郎は表情を歪め、悔しそうに舌打ちをする。
    そんな苦悶に満ちた表情の妓夫太郎を見ては、兄はニヤリと笑みを浮かべる。

    「今嫉妬したろ?どっちに?」
    「……は?」
    「だから…俺とコイツ、どっちが女を抱くのが嫌?」
    「……意味分かんねぇんだがぁ?」
    「俺だな。さっきも俺が女を顎クイした瞬間に入って来たから」
    「は?何言ってんだ。俺があの子の髪にキスした瞬間に入って来たんだから、俺に決まってんだろ」
    「いいや俺だ」
    「俺だっつってんだろッ」
    「……オイコラ。俺を置いて話進めんじゃねぇよッ」
    「はいはい。寂しがり屋な妓夫太郎君を置いて話なんてしませんよ。ほら。どっちが女とイチャつくの嫌なんだ?ん?」
    「だから意味がわからねぇってッ…女とイチャつきてぇなら勝手にしろよなぁぁッ!」
    「……ここまで言って分かんねぇとか鈍感過ぎね?まぁそこも可愛いけどよ」
    「うん。鈍感可愛い」

    妓夫太郎は頭を抱えた。何かと自分を可愛いと言ってくるこの兄弟に。この兄弟にとってその言葉は安く軽い言葉だと知っている。

    「…さっきも女に言ってやがってッ…クソがッ」

    何故かそれが腹立たしかった。女に安売りする言葉を、自分に向けてくるこの兄弟が。ボソリと呟いたその苛立ちを兄弟の耳に届けぬまま、妓夫太郎はその場から立ち去ろうとする。

    「どこ行くんだよ」
    「帰るに決まってんだろうがぁぁッ」
    「俺らん家に?」
    「何でそうなんだよッ」
    「俺らはいつでもお前を迎える準備できてっけど?」
    「知るかッ!女でも迎えてろやッ!」
    「お前をって言ってんじゃん」

    立ち去ろうとする妓夫太郎の腕を掴み、その身を自分へと引き寄せる兄。突然の事で妓夫太郎は体勢を崩してしまい、そのまま厚い胸板へと飛び込む羽目になってしまった。

    「はい。捕まえた」

    妓夫太郎を胸に抱き、兄は満足そうにニヤニヤと笑みを浮かべる。

    「ッ…離せよなぁぁッ」
    「無理。このままお持ち帰りさせていただきます」
    「はぁぁあッ!?」
    「愚兄、俺にも妓夫太郎を抱かせろ」
    「それが人にものを頼む態度かよ」
    「頭を下げたら、妓夫太郎を抱かせるのか?」
    「え。ぜってぇ嫌だね」
    「だから下げないんだ」

    自分をよそに言い争いを始める兄弟に、妓夫太郎は苛立ちの声を上げる。

    「俺はテメェらの家なんざ行かねぇって言ってんだろうがッ!離せよなぁぁッ!!」
    「あ〜はいはい。大人しくしてくれよ。な?」

    自身の腕の中で暴れ始める妓夫太郎の唇を唇で塞ぐ兄。それは紛れもなくキスだった。突然の事で目を見開き驚愕する妓夫太郎。妓夫太郎が硬直しているのを良い事に、兄は舌を絡ませて口内を犯していく。クチュリクチュッと淫靡な音を響かせる濃厚なキス…それを目の前で見せつけられた弟は、今日初めて表情に感情を表す。

    「ズル過ぎる…俺も」

    眉間にシワを寄せ、兄を睨みながら、妓夫太郎の顔を無理矢理兄から引き離し、今度は自分が妓夫太郎の唇を塞いでいく。息をつく暇もなく、再び唇を塞がれた妓夫太郎は微かに開いた隙間から熱い吐息を漏らす。

    「テメェ!何勝手に妓夫太郎の唇奪ってんだ!これは俺のもんなんだよ!!」

    舌を絡ませ始めた時に、今度は兄が妓夫太郎の顔を無理矢理弟から引き離す。あまりキスを堪能できなかった弟はその不機嫌さを表情に顕にしていく。

    「違う。妓夫太郎の唇は俺のものだ」
    「いいや。俺のもんだな。俺の方が蕩けさせれた」
    「俺の方が蕩けさせれる」
    「ほぉぉん。だったら、どっちが妓夫太郎を腰砕けにできっか勝負するか?」
    「望むところだ」

    微笑みながらも、威圧的な視線を送る兄と、眉をキリッと上げて鋭い視線を送る弟……そんな2人に挟まれた妓夫太郎は、額に青筋を浮かばせる…

    「誰がテメェらなんかに腰砕けにされっかよッ!このクズ宇髄共がぁぁぁぁッ!!!」

    コイツ等にとったらキスも軽いものなのだと…それなのに一瞬でも胸を高鳴らせた自分に苛立ちを覚え、それを隠すかのように声を荒らげる妓夫太郎…
    だが妓夫太郎は知らない。この宇髄兄弟は、本命以外にはキスをしない事を。その事を妓夫太郎が知るのはいつの日なのか……まだ誰も知らない。








    妓夫太郎に嫉妬してほしい&自分達を意識して欲しいが為に、妓夫太郎と雰囲気の似た女をナンパするクズ宇髄兄弟目指したらこうなりました。
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