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    伊那弥彪

    ラクガキと二次創作文物置。支部にアップしたりする。

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    伊那弥彪

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    ドラマパロ宇妓、妓の性格全然違います。キャラ崩壊注意。
    キャラ設定は過去ドラマパロ参照。

    ##宇妓
    ##ドラマパロ

    一番くじその日、妓夫太郎は仕事を終え、少しばかり寄り道をしてから、同じマンションの天元の部屋へとやって来ていた。合鍵を使い、部屋へと入って行く妓夫太郎。大人気ドラマ『鬼滅の刃』では敵対する役柄だった天元と妓夫太郎だが、プライベートでは互いに想い合う仲であり、互いの部屋の合鍵を渡し合ってる程親密であった。それは妓夫太郎の妹・梅しか知らない事実である。
    妓夫太郎が部屋に入るも、本来の部屋の主はまだ帰宅していないようで、しん…と静まりかえった部屋にカサカサと妓夫太郎の持つビニール袋の音だけが響く。

    (天元君、俺より先に仕事終わってる筈なんだけどなぁ)

    寄り道でもしてるのかな?と思いながら、妓夫太郎はキッチンへと向かい、慣れた手つきで夕飯の準備を開始した。
    夕飯の準備も終えた頃…ようやくガチャッバタンッというドアの開閉音が聞こえ、妓夫太郎は瞳を輝かせ、部屋の主を出迎える為、玄関へと足早に移動していく。

    「天元君おかえり……って、どうしたの!?」

    そこには玄関で膝から崩れ落ち、四つん這いに項垂れた天元の姿…
    体力オバケの天元がこんなにも疲れ切るとはどんな仕事だったんだ?と心配しながら駆け寄り、妓夫太郎は天元の顔を覗き込む。そこにはいつもの煌めく天元の表情は無かった…暗く、落ち込んだ天元の表情に、妓夫太郎の心配は増していく。

    「天元君どうしたの?そんなに仕事疲れた?」
    「……ぃなかった」
    「ん?」
    「…何処にも、いなかったッ……」
    「え?だ、誰が?」

    震えるその言葉…ポツポツと出てくる天元の言葉に、妓夫太郎は耳を傾ける。
    誰か探していたのか?その人を探す為に今まで帰ってこなかったのか?
    こんなにも落胆する程、その人は大切な人だったのか……
    妓夫太郎の胸がズキンと痛む…
    ダメだ。こんな事で嫉妬しては…。そう自分に言い聞かせ、嫉妬を振り払う様にブンブンと首を横に振り、再び天元に誰がいなかったのか聞こうとした……その時だった。呟きだった天元の声が大きくなったのは……

    「妓夫ちゃんが何処にもいなかったッ!!!」
    「…………え?」

    その言葉に妓夫太郎は目を丸くし首を傾げる。
    自分が何処にもいなかった…?
    ちゃんとLINEで部屋に行くと誤爆無く伝えた筈だが?

    「俺や我妻や堕姫はいたのにッ!妓夫ちゃんだけッ、何軒も回ったのにいなかったッ!!!」

    最初訳が分からなかった妓夫太郎だが、天元・我妻・堕姫、そして自分で想像がついた。

    「………あ、もしかして、一番くじの話?」
    「そう!!!」

    本日は鬼滅の刃一番くじ鬼の棲む街其の弐の発売日であり、その目玉商品が、天元、我妻、堕姫、妓夫太郎のフィギュアなのだ。
    つまり、天元が言いたい事は、くじを引く為に何軒も回ったが、お目当ての妓夫太郎フィギュアがどこもかしこも既に人の手に渡ってしまい、手に入れれなかったという事である。

    「そ、そんなに落ち込まなくてもぉ…」

    自分のフィギュアの為に何軒も回ってくれた事、手に入らず落胆してくれてる事が嬉しくもあり、恥ずかしくもある妓夫太郎ははにかみながら天元に語り掛ける。

    「妓夫ちゃんフィギュアの為にくじ買い占めるつもりだったのに!!」
    「それはくじやりたい人にとって迷惑だから駄目だよ。後すごく無駄遣いだからね?」
    「だって、何処の馬の骨とも分からねぇ奴等に妓夫ちゃんフィギュアがイタズラされてっと思うと我慢できなくてッ!!」
    「イ、イタズラ?」
    「妓夫ちゃんのおっぱいちょいちょいしたり、妓夫ちゃんの腰撫で撫でしたり、妓夫ちゃんの尻揉み揉みしたり!」
    「うん。そんな事する人いないから安心して?」
    「後ぶっ倒して破損したりッ!」
    「あ〜それは有り得るかもね…」
    「…良しッ。1つずつ10万で買い取る募集を…」
    「天元君、お財布俺が預かっていい?」

    天元の凄まじい執着心に苦笑を浮かべていた妓夫太郎だが、最後にド真面目な顔をして財布を取り出した天元に、笑みを消してはマジトーンで語り掛けるのだった。
    その後、膝から崩れ落ちている天元に肩を貸して、妓夫太郎はリビングへと向かう。
    そこには妓夫太郎が天元にどうしても見せたい物があった。

    「ほら天元君、リビング着いたよ〜顔上げて〜」
    「うぅ……俺とした事が妓夫ちゃんを手に入れる事ができねぇなんて……」
    「天元くーん」
    「もうこうなったら、本物の妓夫ちゃんをいっぱいお触りしねぇとッ!!」
    「うん。それは後でね?ほら、見て」
    「……ん?」

    ようやく顔を上げた天元は妓夫太郎の視線に釣られ、視線をリビングのテーブルへと移す。そこには、青と緑の2つの箱……それを瞳に映した天元は目を見開き、固まってしまう。そんな天元に妓夫太郎ははにかみながら、

    「何となくくじ2回引いたら当たっちゃってね…俺と天元君のフィギュア」

    テーブルに置かれていた物…それは、A賞宇髄天元フィギュアとD賞妓夫太郎フィギュアだった。
    2回引いてこの2つを当てるとは凄まじい強運である…。

    「…え?妓夫ちゃん神に愛され過ぎてね?あ、祭りの神の俺からもうド派手に愛されてたか」
    「そうだねぇ。祭りの神の天元君が俺にくじ運くれたのかもねぇ…あ、でも俺が引いちゃったから、天元君が引く事できなかったね。色んなお店行ったみたいなのにごめんね?」
    「全然大丈夫。妓夫ちゃんが俺と妓夫ちゃん引いてくれたとかメチャクチャ嬉し過ぎてド派手に爆発しそう」
    「爆発されたら困るなぁ」

    嬉しさのあまり妓夫太郎を抱き締める天元と、そんな天元にはにかみながら微笑み、その大きな背中に手を回して抱きしめ返す妓夫太郎。
    それはよくある2人の秘密の光景…

    「夕飯の準備もう済んでるから、一緒に食べよ?」
    「ん。その後妓夫ちゃんも食べる」
    「もう天元君……」

    その後、リビングには2つのフィギュアが並べられた。本来なら向き合い、斬り合う構図となるのだが、その部屋の2人は向き合わず、共闘しているかのような構図だった。

    「こういう風に楽しむのも良いねぇ」
    「うん。そうだねー」

    妓夫太郎考案の構図にニコニコと満面の笑顔を浮かべる天元。さて、そろそろベッドに移動を…と妓夫太郎の腰に手を回したその時、

    「お兄ちゃぁぁぁぁぁん!!!お兄ちゃんが何処にもいなかったぁぁぁぁぁあッ!!!!」

    一応合鍵を渡している将来義妹となる梅が部屋に泣き叫びながら突撃してきてしまい、その日ベッドに移れたのは遅い時間となった天元だった……。







    その後のTwitter


    煉獄【本日発売の一番くじを千寿郎と引いたら、妓夫太郎フィギュアが当たったぞ!!ワッショイ!!】
    天元【寄越せ】
    梅【頂戴】
    善逸【秒で反応する山賊が怖すぎる】
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