春になると、とある界隈で桜の花に攫われるという表現をよく目にすることがある。その中ではきまって桜は全体的に色素の薄かったり、儚げな人間を好んでいる。だから住人でいうと髪色的に理解やテラ、生命的に弱そうな大瀬とか依央利だと思う。タナトスよりエロスな天彦は論外。それと慧も違うだろ。小柄で髪はピンクだけど、桜の色よりも彩度は高いし、原色の服を着た日に焼けた肌の男だし。それにうるさい。これは大瀬と俺以外の住人全員に当て嵌まるな。髪色的に違う気もするけど大瀬、リーチかも。今度死に方として提案してみようかな。死因、桜に攫われて。面白いかもしれない。でも攫われる=死、という訳ではなかったりするのか?
「──、ふみや!」
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