ミスタは、ソファーにうつ伏せで寝っ転がっているファルガーの尻に頭を乗っけてソファーに寝そべりiPhoneを弄っていた。
いくらデカいソファーとはいえ、大の男2人が寝っ転がるとさすがに狭くて、ミスタはやり場の無い足をウゴウゴ動かしながらダラダラとしていた。
ファルガーは、なんかしたの方で動いてるミスタを邪魔だなと思いながら無視して本を読んでいる。
しばらく経って、ミスタはiPhoneに飽きたのか、そっと起き上がると、突然ファルガーのスウェットのズボンを脱がそうとした。
流石にファルガーは抵抗して起き上がりミスタの腕を掴む。
するとムキになったミスタは、「辞めろよ!」と大声で叫び暴れながらそれでもファルガーのスウェットを脱がそうとした。
今度はもう、上も下も全部脱がそうとした。
ファルガーは「辞めろはこっちのセリフだ!」と同じ声量で叫びながらミスタを押さえ込もうとする。
まぁ本気を出せばサイボーグであるファルガーは簡単にミスタを無力化できるので、それをしないあたり、ミスタの構ってちゃんに構ってあげているのだが。
暫く暴れてから疲れたのか、ミスタの体から力が抜けてミスタの体がファルガーの腕の中に収まる。
「ね、喉乾いた。」
あんなに暴れて大声を出せばそりゃそうもなるだろ。と思いながら「よしよし、お兄さんに遊んでもらって疲れちゃったか。」
と言いながら、ファルガーは立ち上がって飲み物を取りに行こうとした。
自分のことをお兄さんと呼ぶのはミスタを暗に弟みたいに子供っぽいな。とおちょくっての発言であるが、ミスタにも自覚があるので押し黙っている。
さて、ソファーから、立ち上がろうとしたファルガーは一向に自分から離れないミスタをどかそうと腕に力を込めた。
しかしミスタは「!!!」と言って抵抗を続ける。
「離れてくれないとキッチンに行けないんだが。」
ファルガーは、もっともなことを言うがミスタは「連れてってくれればいいじゃん!!!」と駄々をこねる。
「じゃあ自分でいけ。」
と言うと「!!」と頭を横に振り抵抗をする。
めんどくさいミスタに優しく構ってやっていたファルガーもそこまで優しく無いので無視して無理やりソファーから立つとキッチンに向かう。
ミスタは、捨てられた犬みたいな顔をしてからムスッとして、ファルガーの足にしがみついた。
非常に歩きずらいがファルガーは無視して片足にしがみつくミスタを引きずりながらキッチンへ向かう。
冷蔵庫を開けて「お前は何がいいんだ?」と足元に向けて聞くと「りんごジュース、、、、」と聞こえたのでパックのそれと、自分用のミネラルウォーターをもって冷蔵庫を閉める。
すると足元から「チョコクッキーもとって!」と聞こえた。
はいはいと、再び冷蔵庫を開けて中からチョコクッキーを取って、また足を引きずりながらリビングに戻る。
ソファーの前に来ると、ミスタは足元から離れてソファーによじ登り、偉そうな顔で隣をポンポンと叩いた。
叩いたところにファルガーが座り、パックのジュースにストローを指してやってミスタに渡した。
「ありがと!」と言ってから、ジュースを飲む。
ミスタはジュースを飲みながら缶に入ったクッキーを缶のまま、ファルガーに押し付ける。
ファルガーは、無言で缶をあけて、中のクッキーを1枚だすとミスタの口元へ持って行ってやった。
ファルガーの手からクッキーを食べてまたジュースを飲む。
また同じクッキーを口に持って言ってやると、「次はそっちのジャムのやつが良い。」と言われた。
手に持っているクッキーを自分の口に入れてから、ジャムが乗っているクッキーをミスタにやると半分食べて「もういい。」と言うので残ったクッキーを自分で食べた。
こうして、たまにミスタは、兄弟とじゃれ合うようにファルガーに甘えるのである。
恋人にするような色っぽさの残る甘え方ではなく、完全に気を許せるけど、色気のない甘え方は寂しがりのミスタの心を暖かくしてくれるのである。