入れ替わり狡宜こんな初々しかったか……、と狡噛はクールを装いながら、内側で思いきりあたまを抱えた。昨夜は、いつも通りに同じベッドで、宜野座の全てを堪能して、心地良い眠りについた。
全く処理が追いつかない。
ベッドの隣りで健やかに眠っているのは、遠い思い出の中の幼い宜野座で、短い髪、鍛えていない細い身体、腕も義手ではなく、あどけない寝顔をこちらに無防備に向けていた。掛けた布から覗く、華奢な肩のラインだけでも目の毒だ。
これはたぶん、浮かれた男の願望がとんでもなく詰まった夢だ。理解できない現象に無理やり理由付けしようとする。もういちど目を閉じて、いちにっさん、でぱちんと開けたら、もとの大人の姿に戻る筈だ。こんな触れることも憚られる無垢な幼い姿じゃない、自分から誘いを掛けることもする大人の宜野座に。
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