相思相愛彼奴は呪いで悪。
好きになってはいけない…。
なのに…。
宿「…」
虎「え」
気がつけば虎杖は宿儺の生得領域にいた。
虎「あれ、なんで俺…」
宿「俺が呼んだ」
虎「なんだよ」
宿「先ほどの戦いはなんだ。無様すぎて泣けてくるぞ」
虎「っ、別に最終的には祓えたし」
宿「あれだけの傷を作ってか」
そう先ほど虎杖は任務で二級相当の呪霊を祓った。
しかし最後の悪足掻きを食らってしまい痛手を負った為これから家入のもとへ行くはずだったのだ。
虎「とりあえず家入さんとこ行くから早くキンッして」
宿「チッ」
虎「っ」
ブシャアアアッッッ
虎「かはっ…」
宿「…」
突然視界が揺れたかと思えば虎杖は宿儺に勢いよく突き飛ばされ首を掴まれていた。
宿「何度も言ってるがお前は俺の器だろう。簡単に傷を付けさせるな…心底不愉快だ」
虎「っ…」
首を掴まれていた腕にしがみついていたが静かに怒りを見せる宿儺に虎杖は恐れ腕に手を添えるくらいの力まで緩める。
恐れたあまり情けなくも涙目になり弱々しく宿儺に言う。
虎「…ご、ごめん」ポロッ
宿「…何故泣く」
虎「宿儺…怒ってるから…」
フイと視線を外して言葉を繋げる。
泣かせてしまったことに宿儺の心の奥で小さくツキンと感じたがそれがなんなのか分からなかった。
バシャリと起こされたかと思えばフワリと身体が温かく感じる。
虎「」
宿「…」
身体が軽くなり傷だらけだった身体も綺麗になっていた。
虎「…宿儺」
宿「帰れ」
_
虎「ん…俺の部屋」
目が覚めるとそこはいつも過ごしている虎杖の部屋だった。
虎「宿儺」
返事はない。
虎「ありがと」
フワリと笑いながら虎杖はお礼を言う。
彼の中で宿儺はその笑顔を見て目を閉じる。
しかし先ほどまでの苛立ちはなく宿儺の顔も穏やかであった。
宿「…」