すれ違いク「んぁっ…❤️…は、…んぅ…❤️」
バ「はっ…ぅ…」
クライヴはベッドに倒れ込む。
バルナバスは額についた汗を拭い、息を荒くして倒れ込んでいるクライヴを見る。
バ「…」
ク「はぁ…はぁ…」
汗が垂れている頬にそっと触れるとピクンッと反応するクライヴ。
ク「…ん、バルナバス…」
バ「今は休め…ミュトス…」
ク「…」
バ「行ってくる…」
バルナバスはクライヴに背を向けると衣服を着る。
その背中をクライヴは見つめるも、段々と瞼が重くなり意識を手放してしまった。
衣服を整えるとバルナバスは再び意識を夢の中へ投じたクライヴを見つめ顔を近づける。
バ「…クライヴ」
目元に優しく口づけ部屋を出ていった。
_
ク「…ん」
目が覚めると広いベッドにクライヴ一人がいた。
ク「…」
バルナバスはクライヴよりも早く目覚め会合や戦などに赴き、共にいることが少ない。
ウォールード王国にロザリア公国が攻め行った際にロザリア公国を襲わないことを条件にクライヴを寄越せと言った。
始めこそクライヴも戸惑っていたがバルナバスと過ごすうちに惹かれていき身体を繋ぐ関係までに至った。
ク「…バルナバス」
後々になって何故バルナバスがクライヴを求めた理由が自分がミュトスであるからだと発覚した。
最近は抱かれて目が覚めるとベッドはいつも一人。
バルナバスとまともに話したのはいつだったか。
青い瞳は寂しげに揺れていた。
ガチャ
シ「お目覚めか」
ク「シド…」
シ「暗い顔してんな」
ク「…別に」
シ「なぁ、クライヴ」
ク「」
シ「一緒にここを出ないか」
ク「でも、俺がここを出るとロザリアが…」
シ「そのことなんだが…ロザリアはザンブレクに襲われたらしい…」
ク「」
シ「俺たちが別件でロザリアに向かったときには…もう」
ク「そん、な…」
クライヴはショックでポロポロと涙を流す。
シドは優しく頭をポンポンと触れる。
シ「俺の考えと王とじゃ合わない。だから俺の決めた道を進むためにここを出ることにした」
ク「…」
シ「お前はここにいたいか」
ク「俺は…」
バルナバスのことは好きだ。
だが彼は俺をミュトスとして利用しようとしている。
ク「帰るところはもうない…だけどこのまま此処にいても利用されるだけ、か」
シ「お前の好きなように決めればいい」
シドは無理強いはせずクライヴに委ねる。
クライヴは少し考えシドに視線をやる。
ク「俺もアンタに着いていく…」
シドはそう聞くと優しく笑う。
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バルナバス…大好きだったよ
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バ「…」
ス「シドと共に去ったようですね」
バ「…」
スレイプニルは何かを察したのか部屋を出ていく。
バ「…クライヴ」
静かに呟いたがそこには怒りが込められていた。
バ「絶対に逃がすものか…っ、私の最愛…」