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    taranotadanome

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    taranotadanome

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    自由アスカガ
    ・カガリは勘が鋭い
    ・ファウンデーション入りが双子の誕生日
    ・エルドア後オーブ帰投まで結構時間が空いてる
    ・ジャミング
    ・逃避行ではまだ指輪さげてない
    ・え、指輪下げるタイミングここじゃね?
    て感じで妄想したら捗ってここまで書き上がりました。すごーい。
    カガリにもルナマリアの「なんで帰ってこないの」みたいな時間があったんじゃないかなと。
    自由のカガリ視点という感じです。

    #アスカガ

    君たちが帰るまで。5/18 23:48

    カガリはそろそろベッドに入ろうと持ち込んだ資料を置きデスクから立ちあがろうとした時、デスクの上に置きっぱなしだった通信端末から電子音が鳴り出した。
    この端末は現在ターミナルに出向中のアスランやメイリンがカガリに報告する時に使っている端末だ。
    盗聴やハッキングをされない様に特別なセキュリティソフトが内蔵されている。
    この端末が鳴るという事は今調査してもらっているファウンデーションについて何か掴んだという事か。
    カガリは端末の通信ボタンを押した。
    『こんな時間にすまない、今大丈夫か?』
    画面に映ったのは藍色の髪。
    アスランだった。
    「ん、大丈夫だ。何かあったか?」
    再び椅子に座り、端末を立て掛ける。
    『あぁ、きみの勘はよく当たる。後で詳しい報告書を送るが恐らくファウンデーションはディステニープランを施行している』
    「…っ…そうか」
    あまり驚きはしない。ファウンデーションの急速な復興と発展は、目を見張るものがあった。だから裏があるのではとコンパス加入の申し入れがあった際に、アスラン達を調査に出した。それにラクスとも話したが、ディステニープランを支持する人々自体を否定する事は出来ない。
    『他にも色々きな臭い所があるが、それは確証を得てから報告する。』
    「ん、わかった…」
    ふと、胸がざわついた。なんだ?
    とても、とても嫌な感じがする。
    『…カガリ?』
    「あ…いや……」
    何でもないと言おうとして躊躇う。
    何故こんなにざわつくのかわからないがそれを無視できない自分もいた。
    「……すまない、まだ報告あるか?」
    『え、あぁ…今度のコンパスとユーラシアの合同作戦の事なんだが』
    「あぁ、ミケール捕縛作戦だな」
    『基本的にこちらからは介入しないが、何かあればズゴックを出しても構わないか?』
    「…!」
    これか、とカガリは思った。
    先程からの嫌な感じはこれの事を指している。理屈はないが確証はあった。
    良くないが起こる。
    杞憂であればそれでいい。
    何かあってからでは遅い。
    「わかった、許可する」
    『すまない』
    わざわざズゴックの出撃許可を聞いてきたということはアスランも何か嫌な予感を感じているのかもしれない。
    「…アスラン」
    『ん?』
    「…頼むな」
    『……あぁ』
    何が起こるかわからないが嫌な感じだ。
    生憎この手の勘はよく当たってしまう。
    現状何も出来ない擬かしさに顔を顰めた。
    『……カガリ』
    「…あ、すまない他に何か…」
    『誕生日おめでとう』
    「へ…?」
    『……』
    「……」
    今の話の流れでどうしてそうなった。
    確かに今日、もう後数分で日付が変わるが、5月18日は自分と双子の片割れであるキラの誕生日だった。
    「あ…り、がとう…っていうか今朝メールくれただろっ!」
    今朝、また別のプライベートの通信端末でアスランから『誕生日おめでとう』と簡素なメールが送られてきていた。
    『…そうだが、直接言いたくて』
    そういってふいっと視線を逸らす。
    まさかこいつ、これを言いたいが為に報告に託けて連絡してきたんじゃ。
    「…っふ…ふふ…お前、ほんと」
    不器用だなぁ。思わず吹き出した。
    そういう所が彼らしくてとても愛おしい。
    『悪かったな、不器用で』
    どうやら不器用な自覚があるらしい。
    すごい成長だ。
    「ふふふっ…ごめんごめん、ありがと。嬉しい。」
    先程まで騒ついていた胸が落ち着きを取り戻し始めていた。
    同時にじわりとあたたかいものが満たされる。
    カガリがニコッと笑うとアスランもまた微笑んだ。
    『戻ったらちゃんと祝わせてくれ』
    「あぁ、楽しみにしてる」
    『また連絡する』
    「うん、わかった、気をつけて」
    『あぁ、おやすみ』
    「おやすみ」

    プツンと通信が途切れ画面が暗くなり自分の顔が反射する。
    弛み切った顔が写り恥ずかしくて顔を背けた。
    ふと、思い立ちドレッサーの引き出しの中にある彼から送られた指輪を取り出した。
    ケースから取り出してじっとそれを眺める。
    国に身を捧げる覚悟をしてから身に付ける事をやめた指輪は指にはめる事はなくなってしまったがこうしているだけで力を貰える気がして、彼が側にいる気がして、心が満たされる。
    いつもなら眺めるだけで満足していたのだが今日は何だが手放したくなくて、久しぶりに左手の薬指に通して眠りについた。





    「カガリ様!」
    勢いよく入ってきた高官にどくりと心臓が跳ねた。

    「イシュタリアとエルドアに核が…!!!」

    「なっ…」

    イシュタリアと、エルドアだと?
    そこには今、カガリの大事な人達が軒並み集まっている。
    ミケールを捕まえる為に。

    「どういう事だ!?いったいどこから!?」
    「それが、ユーラシア領内からとの事で…」
    「!?」
    それを聞き周りが騒つく。
    いったい何が起こった。
    「ミレニアムとアークエンジェルは!?」
    「ミレニアムは先程シグナルを確認しましたが、アークエンジェルは……」

    「……っ…!」

    思考が鈍る。
    アークエンジェルは前線いたはず。
    もちろんキラやシン達も。
    前線ではないがアスラン達も近くに。
    先日の通話を思い出す。
    心臓がドクドク鳴り響き周りの音が聞きづらい。

    「カガリ姉様…」

    秘書官のトーヤの声にハッとした。
    しっかりしろ。落ち着け。
    まだ何もわからない。
    そう、わからない。
    とにかく今は情報がいる。

    「とにかく状況報告を!
    ミレニアムと回線を繋げ!」

    すぐにカガリはコノエ艦長から報告を受けた。
    作戦中、キラが乗るフリーダムが軍事協定を破りユーラシア領内へ侵攻。
    その際、キラはせん妄状態にあり。「ミケールがいる。捕獲する。」と叫んだらしい。
    訳がわからない。
    キラがそんな事をするはずがない。
    ラクスはファウンデーションのシャトルで脱出したそうだが、そこからファウンデーション側から何も連絡がない。
    前線いたアークエンジェルのクルー達やキラ、シン、ムウ達からも連絡がない。
    そしてアスランとメイリンからもまだ何も連絡がなかった。

    作戦中通信ジャミングがあった為生存していたとしても向こうから連絡出来ない可能性もある。

    2日。2日連絡がなければ生存は絶望的だった。

    アスランからも連絡がないということは、
    何かあったのだ。前線で。

    バタバタと動き回って一旦邸宅に戻る事になったのは深夜3時を回っていた。
    周りから休めと言われたが、落ち着かなくて眠れる気がしなかった。
    心臓がまだドクドクと脈打っている。
    気づいたらドレッサーの引き出しに手を伸ばしていた。
    ケースを取り出し中の指輪を取り出して両手でギュッと握り、祈った。
    大丈夫。大丈夫。
    こんな所で死ぬ様な人達ではない。
    きっと皆んな生きている。
    必ず戻って来てくれる。
    大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。
    目頭が熱くなり、視界が歪む。
    「……っ」
    溢れた雫が目尻からこぼれ落ちた。
    今は信じて待つしかない。
    愛する人達の生存を。

    結局その日は眠れずに指輪を握りしめて連絡を待った。
    日が昇っても連絡はなく、不安と焦りが募る。
    そろそろ行政府に向かわなくてはならない。
    ドレッサーの引き出しの中から以前アスランに譲ったハウメアの護り石の予備の紐を取り出した。
    紐を指輪に通して首から下げられるようにする。
    今だけ。今だけは身に付ける事を許して欲しい。でないと立っていられなくなる。
    縋るものが欲しかった。
    こんな気持ちのまま、混乱している皆をまとめ上げることなんて出来ない。
    まだまだやる事は沢山ある。
    首から下げると、不安と焦燥を吸ってくれたかの様にずっとドクドクと脈打っていた心臓が少し落ち着く感じがした。

    (ーーーー大丈夫。)

    今、自分が出来る事をやらなくては。
    いつまでも感傷に浸っていられない。
    彼らを信じる。
    必ず生きて戻って来てくれると

    ブラウスの中に指輪をしまい、カガリは自室の扉を開けた。
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