だいたい三十一音メモ 2022年11月前半きゅんきゅんと心が締まるその音は実は子宮のものだったりして
きゅんきゅんに詰まってるとか言う友の胸にはきっともう入れない
さらに激しく詰まる様子はぎゃんぎゃんと「それ吠えてんの?」俺から出てけと
もしあの日の君の鳴き声に感情をこじつけなければ死ねただろうか
祈りだと綺麗な言葉を並べても皮を剥いたら青虫がいる
生きている? 死んでないから生きてるよ 今ほらこうして息をしてるよ
ストリングジェルメディウムを頬に塗る雫の形を間違えぬよう
あなたならこう言うだろうと知りながら願うあまりにスプーン曲がる
図書館の月の光に顔を上げ電気椅子から立ち上がらねば
書くほどに書けぬものと知りながら 尚、 筆を持つ殺意と共に
幼き手ならば許すかこの文字を 崩れ絡まり首絞める筆を
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