2022/04/28
ネロがもしもユダにお使いを頼まれたらの話
「……頼まれてた薬草だよ。ほら。」
「わぁ、有難う。独りで来たのかい?良く此処迄死なずに来れたね。弱いのに。」
「誰にも会わなかったから、別に。」
「送っていこうか、君も私の大事な私だからね、死なれたら困っちゃうな。」
「別に要らない。私としてはユダ君の困った顔が見たいくらいだ。」
「これは薬草の管理方法を纏めたから置いておく。」
「わお、丁寧だね、全部W.D.語だけど。まあ読めるからいいか。」
「生憎、私はその文字しか分からなくてね。…………余り、薬をばら撒くのは感心しないな。」
「なんでだい?あんなに私の信者は嬉しそうじゃないか。」
「私にはそうは見えていなくてね。残念ながら。ユダ君に薬草を渡している時点で、私も同罪だが……ユダ君の信者とやらの有様は酷く気色が悪い。」
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