小さな猫と、大きな愛を携えて。「場地ぃ。どこで油売ってたんだよ。遅ぇよ。」
「悪ぃ。…なぁ、ここの裏の店ってなんなん?」
「え。お前、女に興味ないってまさかそっちだから?」
「は?そっちってなんだよ。」
一虎と場地のやり取りに、その隣に居た女がにこりと笑みを浮かべ口を出す。
「あれは陰間が居ります座敷でございます。…興味がおありなら店主を呼びましょう。」
女は側に控えていた禿へ言付けるが、場地の相手をしていた女は面白くなさそうな顔をして禿が出ていく様子を眺めていた。
一虎に先程のやり取りの答えを求め顔を向けると呆れたような声で応える。
「さすがにわかんだろ。」
「ここは女を扱う店だろ。なんで男だよ。」
「場地はほんとわかってねぇな。昔から遊びの嗜みがある人間は女も男も上手に楽しむもんなんだよ。まぁ、俺は女が良いけどね。」
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