💜が🧡に酷くしてほしいと言われる話「今日は酷くしてほしい」
ベッドサイドランプだけが光る部屋。薄ぼんやりと相手の顔が見える、そんなムードのある部屋、最愛の恋人と2人、ベッドに腰掛けている。
とどのつまり準備万端で情事に洒落こもうと言う時にオレは前々からの願望を口にする。
ぱちくりと美しいアメジストの瞳が見え隠れするのが見えた。
「なぁに、急に」
「いや、そんなに深い理由はないというか……なんというか」
「……ん〜」
もちろん理由がないなんていうのは真っ赤な嘘で。
でも、こんな理由シュウには話せないと自分の中で判定が下っているのである。
シュウの愛撫はいつも優しく、丁寧だ。
割れ物を扱うみたいにゆっくりと快感を与えてくる。
俺はそんな扱いが苦手だった。
君は大切だと心底理解させられて、自己肯定感の低いオレはそれを勿体ないと、身に余ると感じてしまう。
だから、酷くして欲しいと、強請ってしまった。
優しいシュウに酷いことをさせるなんて、最低だと思う。
けれど、このまま大切に扱われるといつかダメになる気がして。
「酷く、か……うーん……」
「やっぱり、できない……?」
「ううん、できる、とは思うんだけど……」
「けど…?」
「ミスタの言う酷くっていうのが僕の思う扱いと合ってるかどうかわからないから、お望み通りに満足させられるかなって」
結構前向きな返事に目をぱちくりとさせる。
できないかという問いに即答で否定したし、なんならちょっと乗り気な気もするし…
まぁでも、シュウはかなり好奇心旺盛な方だし、やってみよう精神結構強いしなぁと、勝手に納得する。
「大丈夫だって!シュウの思うとおりにやってみて」
「ほんとにいいの?」
「いいって!ほら、オレMだし!!」
「それ自分で言ってて恥ずかしくない?」
そう思うなら早く始めてくれ!!と心で叫びつつ
「とにかく!ほら……あぁ〜………シュウにされるならなんでも大丈夫だよ……な?」
「……」
シュウはしばらくうんうん唸った後、あっと一言漏らすと納得したように頷いて、にっこりと笑顔をこっちに向けた。
「よし、わかった」
「お」
そういうや否やぼふんっとベッドに押し倒される。
「行動力…」
「ほら、善は急げっていうじゃん?」
「善なのかなぁこれ…」
はいはい、とあしらわれてそっと口にキスされる。
ちゅっちゅと啄むだけのキスは正直物足りなくて
強請るように口を開ければ、答えるようにぬるりと舌が入ってきた。
歯列をなぞられ、舌を弄ばれる。すりっと上顎を擦られれば、びくりと腰が跳ねる。それを叱るようにグッと腰をベッドに押し込まれるけれど、以前腰は震えたままで。
多分オレのキスは下手ではないと思う…多分……
でもはるかにシュウの方が上手いせいで、いつもここでぐずぐずにされて、そのままあの優しい愛撫が始まる。俺にはそれが酷く辛い。
しかも腹立たしいことに器用に俺のシャツのボタンを一つ一つ外していく、この行動さえ俺の心を揺さぶるのである。
「んっ、ぁ……ふ……しゅ…ぅ……!」
「ん…ふ……なぁに」
「はっ、も……キス、いいから……」
シュウの股に手を伸ばし、すりっと張り詰めたそこを手で撫ぜる。
ピクリと肩を揺らすシュウに気分を良くして、せいぜい煽ってやろうと色目を使う
「ね、……はやく…酷くして……」
はらりとシュウの髪が降りてきて、視界が暗くなり一瞬顔が見えなくなる。
ピクリとも動かないシュウにぶわっと汗が出るのを感じる。
やば、オレやらかした…?今のキモかったかな…
さすがのシュウもこれはキツかったかな、とか
色々考えながら闇に慣れた目でシュウの顔色を伺うと
「ぇ……」
見たことも無い顔をしたシュウがいる。
なんて言えばいいんだろ、わからないけど、とにかく
喰われる
そう思った
「ミスタってほんとに…」
「あ、シュウ…?えと、ごめ、ひぎぅ!!?」
突然の感覚に変な声が漏れる。強烈な痛みが胸から響く。
たまらず見下ろすと、シュウの白くて長い指がオレの乳首を容赦なくつまみ上げている。
見下ろしたタイミングで意図的か否か、ぎゅうっとそのまま引っ張られる。
「あ"、ぃ"っ!!!ふぅ"っ…!!い"、たい…!しゅ"ぅ……!!」
痛みから逃げようと身をよじろうとすると、それを上にのしかかるようにベッドに押し付けられ、シュウの顔が耳に近づいて、オレの鼓膜に甘く囁く。
「ね、ほんとに…?」
「ぇ"……ぁ"う…!、??……な、」
「ほんとに…?痛いだけ…?」
「ねぇ、ミスタ」
「ここ」
そういうや否や一度引っ張るのをやめて、指の腹ですりっと撫でられる。
すると、ガクンと腰が引ける。
??……なんだ…??これ??
バチバチとまるで感電したようにえもいえぬ快感が胸から体に広がる。痛みを訴えていた声がだんだんと吐息と甘さを含み口からこぼれていく。
「あ、ぇ、っなに………?♡、うぁ"!ぅ…っ!♡ん、っ……ぅ"???♡」
じわじわと快感が胸から溢れて、そこに意識が集中する。
なんで……?さっきまで痛くて、なのに、
「それにほら、こうして押し込まれるの好きでしょ」
「あ"ぅ"!!?♡ひ、ぁ"…そ、れ……っ♡♡い"、ゃ……ぁ"っ!!♡♡」
耳から蕩けるようなシュウの甘い声が響く。脳が揺れてそのまま溶けるような感覚。
いたい、きもちいい、いたいのに、びりびりって
そんな思考がぐるぐる回って訳が分からなくなる。
「ほら、こうやって優しくスリスリってして…」
「それから」
ぎゅっ
「へ、ぁ、ぐぅ!!!?♡、ぅ"ぁあ"!!♡♡い"っぅぅ"♡♡ひ、ぁ"、ぃ…っ!!!♡♡」
ぎちっとまた強く乳首を捻りあげられる。
痛みしか無かったのに、いつの間にか快楽の方が大きくなって全身に響く。
抓って、優しく擦られて、押し込まれて、またつねられて
これの繰り返し
強すぎる快感を逃がしたくて、でもシュウが馬乗りになってるせいで腰が動かせなくて、快感をダイレクトに拾ってしまう。
「じ、ぅ!!♡ぃ、ゃ"ぁ!♡ぁ"、う"〜っ!!♡は、っ、はぁ"!!?♡っぅ"!!♡ぐぅ、♡♡」
「ね、どうミスタ。酷いの、きもちいい??」
「ぁ"!!♡♡わ、…かん"、な、っ…ぃう"!!?♡♡ぅう"〜っ!!♡ひ、ぱるの、ぉ"、っ"!!♡や、ぁ"
!!♡♡」
「でも引っ張る度に腰ガクガクって震えてるよね?それにぎゅって抓るとミスタ、すっごく気持ちよさそうにするから」
「ぁ"ゃ、も、ぅ"あ!♡だめぇ"、くる"、ぅ〜っ!!♡♡ぎちゃ"…ぁ"!!♡♡」
「ん〜…?ふは、顔ぐちゃぐちゃだよ、ミスタ」
「だめ、きっ、ちゃ"ぁ"♡♡♡ぃ"ぅ"、いくっ"、!♡♡い"ぐ、っ!!♡♡ぁ"、ぉ♡♡ん"ぅぅ♡」
「ぃ"う"っ〜〜ーーーーー!!!!!♡♡」
バチバチと目の前が白く明滅して、情けない、汚い声が口から漏れる。
それと同時にパンツが湿ったのを感じた。
あ、オレ……イッて……????
ピクピクと震えるオレを横目にシュウが離れていく。
ぱちぱちと目の前に光が弾けてその隙間でシュウがすごく楽しそうに笑ってる。
「ミスタ、胸だけでイッちゃったね?」
「ぁ"……?ふぅ……ぅ……ぁ……しゅ、ぅ……?」
「うーん、でも困るなぁ」
オレのために綺麗に切りそろえられた形のいい爪がぴんっと敏感な胸を弾く
「んぁ"っ!!!♡♡」
「これくらいでへばってたら、この後もたないよ」
「は、は、っ……ぁ、ぇ……?」
さらっと髪を撫でられ、そのまま手のひらが頬に降りてくる。
その手に本能的に擦り寄ると、ふっとシュウが笑う気配がした。
シュウの顔が見たい、嬉しそうなあの顔
ゆっくりとシュウの方に視線を動かす。
「ねぇ、ミスタ」
「もっと酷いこと、してほしい?」
ぎらりと光る目に体が痺れる。
身体中が熱を帯びて、触られていない胸が、後ろが、奥が疼き始める。
あぁ
もっと、もっと、もっと
「うんっ……♡」
「いっぱい、酷くしてっ……♡」