「君の大事な後輩君達を、可哀想な目に合わせたくないだろう?」
ユニットメンバーの2人を人質に、眉見鋭心君をとあるホテルの一室へ呼び出した。
指定した日、一方的に突きつけた時間の5分前に彼は一人で現れた。
学校の制服。ちゃんと腕章も腕につけてきてくれている。指示通りの姿に満足する。その姿でも問題なく入って来られるよう、指定したホテルのランクには気を使ったのだ。
その布の下に隠された彼の肌の味を思い、わいてきた生唾を飲み込んだ音が妙に大きく部屋に響いた。
今夜はじっくりと味わわせて貰おうじゃないか。
「まずは服を脱いでもらえるかな。1枚ずつだ」
「……わかった」
ほんの少しの逡巡のあと、彼は制服の上着に手をかけ、あっさりとそれを床に投げ捨てた。
「次はシャツを。ああ、下は指示があるまで脱がないように」
言われるまま白いシャツのボタンを手際よく外していく
。上半身に何も身に着けていない眉見君は堂々とした態度で部屋の真ん中に立っていた。
その姿に思わず苦笑する。予想していたことだが、ストリップのなんたるかをわかっていない。恥じらいや戸惑い、羞恥心のない脱衣に価値などあるのだろうか。
だが問題はない。これからそれらをじっくりと、彼の体に教え込めば良いのだから。
「そのまま、しばらく経っていなさい」
椅子から立ち上がり、彼の身体を観察する。
程よく引き締まった肉体。身長の割に少し肉付きが薄く感じるのは成長期で急に背が伸びた子供の特徴だ。きっとあと1年もすれば身長に見合ったからだつきになるのだろう。
シミ一つ無い白い肌。彼の肌だけ見ればそこらのアイドルの少女にも勝るとも劣らない。
その無垢な肌の微小な毛穴の一つまでをも観察するように、その肌を視線で舐める。
「っ………触らない、のか」
「触って欲しいのかい?」
「いや………だが……」
「君はその体が、僕がこんな卑怯な手を使ってでも手に入れたいと思うくらい美しいのだということを自覚した方がいい。そして体のどの部位が、男の劣情にさらされるのかを覚えておきなさい」
「………ッ、」
それからはもう言葉を発せず、彼の若木のようなその体をじっくりと眺めて堪能した。
何処を見られ、そして興奮されているのがわかるよう、首筋から柔らかな曲線を描く胸部から控えめな臍まで、ゆっくりと。嬲るように。
「ああ、本当に美しい体だ……おや?」
彼が五分ほど前からほんの少しだけ、前屈み気味になっているのは分かっていた。
きっちりと着込まれたズボンの下には、体に見合った大きさのペニスが隠れているはず。いや、今はわずかに質量を増やし布地を押し上げているのだから隠れきれてはいないか。
「鋭心君」
「……なんだ」
「どうも君のペニスが勃起しているようにみえるんだが、気のせいかな?」
「これ、は………」
可哀想な程に身体を震わせた眼の前の青年は、無意識か両足を擦り合わせるように動かし
「全く、ただ見られていただけだというのに、なぜそうも大きくできるんだい?」
「……わから、ない……」
「わからないじゃだめだろう?どうして、君のペニスは反応しているのだろうか?」
「ッう………」
「鋭心君。君は思っていたよりもとても、はしたない身体をしているようだね」
強い光を消して失わなかった緑の瞳が、そこでようやく、くしゃりと歪んだ。