「くずのは、最近寝れてる?」
「……そうさな、最近ちと忙しくて。どうしてだい?」
「目の下、メイクさんが隠してくれてるけど、ちょっと隈できてるでしょ」
「あー………」
「夜の撮影とか収録入ってたっけ?」
「いや、ちと野暮用でね」
「そう。まぁプロデューサーちゃんが何も言ってないな
ら、俺からお節介するのもどうかとは思うけど……あ、あった。はいこれ」
「………?」
「ホットアイマスク。目温めると結構マシになるよ」
「随分かわいらしいな」
「でしょ〜?薬局とかで箱買いが多いんだけど、たまたま立ち寄った雑貨屋さんでみつけて『あ、くずのはっぽい』って思って」
「……思って、これを買ったって?」
「あ、……うん」
「大事に使わせてもらうな」
「しまい込まないでちゃんと使ってよね。なんなら今使ってくれてもいいから」
「ここで?」
「次の撮影呼ばれるまで15分はあるでしょ。ほら、肩貸してあげるから」
「はは、そりゃ至れり尽くせりだ」
「ほんとは飲みに行こうって言いたいんだけど今夜は早めに寝てほしいからなぁ」
「なら、山下サンの家に押しかけるかな……」
「飲んで眠くなっならそのまま泊まってくって?別にいいけどさ〜」
「……このあとの、撮影、頑張れそうだ……」
「くずのは?……寝るの、早っ!あーあ、アイマスク握りしめちゃって……」
「こーんなイケメンなのに、寝顔は結構かわいいんだよねえ」
「……あ、プロデューサーちゃん、写真はやめといてね。こんな顔ファンの子に見せちゃったら大変なことになっちゃうでしょ?俺達だけの秘密ってことで。ね?」