朝食今日はなんだか眠りが浅かった。
いつもより早く起きてしまったヒュースは、何かをするでもなくリビングに向かっていった。ソファーの上で誰かがくつろいでいる。玉狛ではいつも誰かがリビングでくつろいでいて、本部の堅苦しく整然とした雰囲気と全く違い、支部という感じがなかった。捕虜、という立場になってしまったが、拷問されることも無理に情報を聞き出されることもなく、修たちと遠征を目指し人の死なないランク戦をする。毎日、浅くぬかるんだ居心地の良い夢の中にいるような気がしている。そんな気持ちを追いやろうと、軽く頭を振った。
「お?ヒュース、早いじゃん。おはよう」
リビングには、寝癖であちらこちらに髪を遊ばせた男がいた。迅だ。
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