わなかえの夜和中蒼一郎は窮地に陥っている。
(まずい……)
--数時間前
連休の週末、蒼一郎は
恋人のかえでの家に泊まりがけで
遊びに来ていた。
そんな夜__
「蒼一郎さま、一緒に映画見ない?」
「映画?」
「うん。ネト○リで見たかったのがあるんだ」
そう言うとかえでは立ち上がって
ポップコーンの用意を
始める。それに続いて蒼一郎も
ジュースの用意を始めた。
「そうか。ジャンルは?」
「ホラーだよ」
「えっ」
「ホラー。」
蒼一郎は少しぎょっとしてしまった。
蒼一郎はホラーが苦手なのだ。
しかし恋人の前であり、危険な仕事をしている手前、そんなことは言えない。どうしたものかと考えているうちに蒼一郎はあることを思いついた。
--
蒼一郎は用意したジュースをテーブルに置き、彼女より先にソファに座る。
2707