戦争生徒(不死の戦争)火薬と血の匂いが混じる空気は脳を圧迫して気分を悪くする
目の前の人達が僕に銃口を向ける
死ぬだろう…
体を貫通するイメージがしっかりとつき生きる意思を失いかける
パンッ!
耳を劈く銃声と共に僕に銃弾があたる
キリキリとした激痛が胸に残ったまま僕は立ち尽くしている
不死の魔法
それは僕が生まれた時から持った魔法
人智を超えた再生能力でどんな傷を負っても負った瞬間から再生が始まり死ぬことが出来ないのだ
毒を飲んでも体が腐食する同時に再生し続け尚且つすぐに解毒される、焼かれても皮膚が焼ける瞬間に皮膚は再生する
けれど痛みは強く残ったまま…長くの苦しみが続く
僕はいつまで生きるのだろうか
僕の役割はその名の通り肉壁
僕一人残ってもまだ戦争は続いている
ぼくがいるこの国が降参しないからもあるが…一番の理由は僕が最悪の化け物だと思われているからだ
上空から風を強引に切る音が聞こえる…飛行船だ
また爆弾でも降ってくるのか
アレが爆発するのか
飛行船は瞬く間に爆発し飛行船だった金属が降り注ぐ
まただ、僕の力ではない何かが動き誰かの命を奪ってく…
呆然と立ち尽くした僕にその現状に震え声をだす兵士が再び銃口を向けている
「化け物…!」
嫌悪に満ちた目で声で行動でどれほど悲しんだか…
もうその悲しみさえきっと今の僕は慣れてしまったのだろう
そんなことに心を傷つくことなどなくなってしまった
(あのことでも心まで傷がつかなくなってしまったら本当に僕は化け物になってしまうのだろうか)
火薬、銃弾、食料
相手の在庫が切れ軍が一時的撤退するまでここで僕は死に続けるしかない
その間痛みに耐える以外暇で、痛みを和らげる意も込めて考え事を始めることにした
この時毎度頭を埋めるのはアライブだった
(…アライブ今何してるんだろ)
彼の事は何も知らない
戻ったら色々聞いてみよう、好きな場所とか…
学校の近くには海があるし森もある
周りは自然豊かだからきっと彼にも好きな場所はあるはず
森は燃えてしまったけれど…
でも海はまだ綺麗なままだまた一緒に行きたいな
「君は忘れてしまっただろうか…」