気遣われている?「痴話喧嘩ですか?」
「…殺すぞ?」
冗談ですよ。と返すと、彼は溜息を吐く。
冗談でなかったら、本気で殺すからな。と返ってくるので、それは嫌だな、と笑ってしまう。
最後に貴方と手合わせをしたのは、いつのことやら。もう忘れてしまった。いやはやしかし、毎度のこと。なんでこんなになるまでやるのやら?
飛影がいつものように、前置きもなく窓から現れた。今回も血塗れで、左腕はぶらりと力なく垂れている。
「どうしました?」
とバスタオルをクローゼットから取り出し床に敷くと、そこに座らせる。ペロリと腕から垂れる血を舐めながら、肩が外れた。と平然と飛影は言う。しかし、その垂れた腕の裂傷たるは縫合した方がいいのでは?と思うような状態であった。肩が外れた事よりも、そちらの怪我の方が重症だ。
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