幕間 ゴーイングアンダー「……った」
何度か目をパチパチと瞬きし、手で目を抑える武道に竜胆は「どした?」と尋ねる。
「目に何か入ったかも。……ぃってぇ、う……」
痛みが強いのかボロボロと涙を零しだし、手をやって右目を擦ろうとするので竜胆がそれを止める。
「傷付くから手は止めろ」
「そうは言っても、マジで痛いんだって! 多分まつ毛か何か入ってるから取りたいんだけど」
泣き顔で訴える武道に竜胆は「見てやるから、ちょっと我慢しな」と言い聞かせて顔を上げさせた。
「目を開けてくんね? 確認出来ないんだけど」
「だって痛い……。うう、ちょい待ってええ痛ええぇぇえ!!」
「うるせえ」
待たない竜胆が強制的に武道の右目を開かせた。手でしっかりと瞼と下瞼を無理矢理伸ばして、武道が何とも無残な状態になっている。
1978