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    みみみ

    @mmm_scboy

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    みみみ

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    オトメ勇者5周年おめでとうございます!!!!
    推しカプの公式EDが完璧すぎて、読み返すたびに泣いているんですが
    本当もうスカアスは幸せになってほしいです!!!!!!!!

    #オトメ勇者
    otomeHero
    #オトメ勇者_スカー
    otomeYusha_skar
    #スカアス
    scaas

    愛妻家の朝食 ~ザイトリッツ家~*


     カーテンの隙間から差し込む、爽やかな朝の陽ざし。
    小鳥のさえずりと、ドアの向こうからただよう香ばしい焼きたてのパンと、スープの美味しそうな匂い。
    「おはようアステル、ちょうど朝食の準備ができたところだ、君は座って待っていなさい」
     新居のキッチンに降りると、スカーが手際よく二人の食事を盛りつけている最中だった。
    まるで絵に描いたような幸せな朝の光景……のはずが、アステルの顔はまるでこの世の終わりのような絶望の表情にそまっていく。
    「また…また……間に合わなかった~~~~~」
     アステルの悲痛な叫びが、新婚である二人の新居にこだました。
    「あ、アステルどうしたんだ急に」
     最愛の新妻の悲壮な表情に、バルシオンの英雄はオロオロとうろたえる。
    「だって……二人で暮らし始めてから、いつもスカーさんが先に起きて、朝ごはんの準備も何もかも終わっていて、私はいつも座ってご飯を食べるだけなんですもん」
    「なに、朝食が気に入らなかったのか? すまない、君の好みの味付けは覚えていたつもりだったのだが」
    「いいえ、美味しいです! スカーさんの作るご飯はみんなで旅をしていた頃からいつだって美味しくてほっぺが落ちそうで……って、そう言うことじゃないんです!!」
     アステルの剣幕に、スカーは思わず気圧された。
    「す、すまない……しかし、君は騎士団に入ったばかりで何かと大変だろう?」
    「そ、それは……」
     魔物の脅威が去ったとは言え、バルシオン騎士団の稽古は生易しいものではない。
    再会した頃よりも伸びたアステルの髪にスカーは労いの気持ちを込めて優しく触れた。
    「スカーさん……」
    「アステル、私にとってバルシオン王家に忠誠を尽くすことこそが、唯一無二の喜びであり幸福だった……バルシオン王への忠義は今も変わらない、だが今の私はもう一つ、この身を捧げたい相手がいる、それが君だ」
     真っ直ぐなその言葉に、アステルの頬が赤く染まる。
    「君はきっと、ライアス様とミュゼルカ様をお支えする立派な女騎士になるだろう……だが、君を支える役目は他の誰にも渡したくないのだ」
    「も、もう! 恥ずかしいです!」
     スカーの言葉を遮るように、アステルがその胸の中に飛び込んだ。
    「す、すまない……しかしこれは、嘘偽りない私の気持ちだ」
     返事の代わりに、アステルがスカーの背中に回した腕にぎゅっと力を入れると、ふっと口元を緩めてスカーが微笑んだ。
    「さあ、食事にしよう、早くしなければ朝の稽古に遅れてしまうぞ」
    「はい!」
     その言葉に、アステルは力強く頷いて顔を上げた。



    END
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    kinotokko

    DOODLEいつもの突然始まって突然終わる。自分以外置いてきぼりメモ。帰りの電車が暇だったのがわるい。

    ツラアズへのお題は『君の「大丈夫」が、大嫌い』です。
    #shindanmaker
    https://shindanmaker.com/392860
    色々問題は山積みだったが、いつも通りアズサには笑って「大丈夫、大丈夫」と答えた。その途端、今まで心配そうに困り顔をしていただけのアズサが
    「は?『大丈夫』?今のツラヌキが大丈夫なわけないでしょ!何処をどう見たら大丈夫だって言えるわけ?頼りなさいよ?みんなも、私もいるでしょ?大切だから迷惑掛けたくないって思ってくれてるのかもしれないけど……でも私も大切だから間に合ううちに頼ってほしいの私は。……ツラヌキだって大切な人が頼ってくれたら嬉しく、ない?」
    怒るみたいに叱るみたいに烈火の如く喋りだしたが段々と声が詰まり、最後の方は不安そうに涙目でコチラを伺いながら「それとも、大切ですら……なかった?」と聞いてきた。脳裏に父親が『大丈夫、大丈夫!』と自分の頭を撫でる姿を思い出した。大丈夫では、なかったのだ。あの時は自分が頼りないのが腹立たしかった。頼ってもらえないのが悲しかった。あの時のオレは今のアズサみたいな顔をしていただろうな。
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