学生フェルヒュー+エデヒューヒュ―ベルトが倒れたのは、今から数日前のことである。
そしてそのことを知るのは三名のみで、彼を介抱したリンハルト、彼の主であるエーデルガルト、そして彼の担任教師であるベレスだけだった。
リンハルトの適切な処置で大ごとには至っていないが、エーデルガルトはヒュ―ベルトにもっと休みなさいと噛んで含めるように言い聞かせたし、ベレスもまた有無を言わせず彼に休息を取らせるように努めている。
ヒュ―ベルトにとってそれは、もちろん不服であった。
故に彼は主と教師の目を盗んで帝国の雑事だとか未読の書物に手を付けていたのだが、一度調子を崩した体は簡単には元の状態に戻らない。
リンハルトに介抱された日は彼の言葉に甘え完全な休息日としたヒュ―ベルトだったが、その日以降に積み上げていった疲労はそろそろ無視できない頃合いとなっていた。
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