おかえりとただいま【相当やばい任務を請け負ったNo.836が帰ってきたとき】
「よお、久しぶりじゃねえか。極秘任務だっけ? ふらっといなくなって心配したぞ」
「……」
「ひでぇ顔してんな、そんなにやばい任務だったのか?」
「……」
「……コーヒーでも淹れてやるから座ってろ。そんな怖い顔すんなって」
「……」
「ったく、何とか言えって……」
「……って……」
「は?」
「おかえりって言ってくれ」
「……おかえり、No.836」
その後、No.000が淹れたコーヒーを飲む間もなくNo.836は泥のように眠った。
【相当やばい任務を請け負ったNo.000が帰ってきたとき】
「……酷い顔をしているぞ」
「それ、すれ違った奴全員に言われた」
「二、三人埋めて満足そうな顔だな」
「それも言われた」
「およそ警察官とは思えない顔だ」
「採用した側の問題だろ、俺は悪くねぇよ」
「……クチナシ」
「あんだよ」
「安心しろ。ここは安全だし、誰もお前を傷付けたりしない。もう大丈夫だ。……おかえり、クチナシ」
「……ただいま」
その後、No.000はわざわざ狭いソファの上で体を丸め身を守るようにして眠った。