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    hime___icigo

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    12月11日Webオンリー新作2
    冷え性からくる寝不足で体調崩すエースと看病するデュースのお話

    「冷え性で寝不足になる話」消灯時間は過ぎているのに寒さで眠れず、ゴロゴロと寝返りを打つエース
    学園内は妖精達が温度管理をしてくれているとはいえ、流石に冬の深夜は冷える
    他のルームメイト達がすやすやと寝息を立てる中一人だけ眠れぬ夜を過ごす。
    いつの間にか夜は明け
    朝の走り込みに行くデュースが起きる時間
    「今日は随分早起きだな」
    「いや、寒くて目が覚めちゃってさ」
    「気休めにしかならないかもしれないけど、良かったらこれ着てくれ」
    デュースは自分のルームウェアをエースの肩に掛ける
    まだ授業までは時間があるし眠れそうだったら寝た方が良いと心配してくれるデュースを見送って再びベッドに潜る
    デュースの匂いに包まれてふわふわと温かい気持ちになりうとうとしていると、しばらくしてデュースが帰ってきた
    「まだ顔色悪いし、今日は休んだ方が良い」
    「んー、そうする…」  
    眠れなかったことで何となく気分が悪い
    吐きそうとまではいかないけど食事をとる気にはなれないし頭もぼーっとする
    「昼間は少しは温かいだろうし、寝れたら良いな」
    デュースはそう言ってくれたが、全然眠れない
    『授業中は眠くなるのに何で今日に限って…最悪』
    眠気はあるのに手足が冷えるし、ぞくぞくとした寒気がそれを妨げる
    風邪という訳ではなくエースは昔から冷え性なので毎年のことだ
    運動部に所属してるし、体を動かすのは好きなのだが、温まっても冷えやすい体質で困り果てている
    結局昼休みにデュースが昼食を届けてくれる時まで一睡も出来なかった
    食事もスープをほんの少し飲んだだけ
    心配したデュースが部活を休み帰ってくると、エースはベッドの中ですっかりしょぼくれていた
    「朝より顔色悪いな、先生に見てもらおうか」
    「いや、多分ただの冷え性だからさ」
    「寒いのだって辛いだろ、我慢しなくて良いんだぞ」
    マッサージで血行を良くし、ハーブティーでリラックス効果を高める
    デュースによるエースのためのスペシャルケアが行われた
    「痛くないか?」
    「ううん、気持ち良い…」
    ホットタオルで目元を温めフェイスマッサージをしていると、エースはよくやく眠りにつき、デュースがほっと胸を撫で下ろしたのも束の間やはり寒さで起きてしまう
    『うー、もう朝?』
    目を覚ますと外は真っ暗、深夜2時
    『せっかくデュースが色々してくれたのに…』
    ポロリと涙が溢れる
    別に悲しい訳ではないはずなのに、何故か自分でもわからない
    ここ最近寒さのせいで眠れず心まで弱ってしまっていたようだ
    止めようとしても涙はポロポロと止まらない
    デュースやルームメイト達を起こしてはいけないと、エースはブランケットを抱えて部屋を出た
    行く宛もなくフラフラと寮内をさ迷う
    こんな時間に出歩いては首をはねられかねないが、皆が寝静まった今起きているのは恐らくエースだけ
    談話室にたどり着き、隅のソファーにうずくまると声を必死に押し殺して静かに泣く
    『ふっ、うぅ、何で寝れないの…寒いし冬の間ずっとこのままなの…?』
    あれこれためしても埒が明かず、今はただただ溢れる涙に身を任せた

    普段なら朝までぐっすり眠るデュースだが、嫌な予感がして目を覚ました
    エースのことが気がかりで、隣のベッドを見ると姿がなく
    慌てて部屋を飛び出した
    『エース、どこにいるんだ!』
    寮中必死で探し周り、談話室の前を通りかかった時すすり泣く声がして駆け寄った
    「エース!」
    「デュ、ス…ひっ、ぐすっ」
    声を出さないようにブランケットに口を押し付けるようにしているので外してやる
    「苦しいだろ、おいで」
    一人で頑張ってえらかったな
    そう言って抱きしめられると、いくら我慢しても涙が止まらなかった
    「ひゅっ、はぁっ、はぁっ」
    「大丈夫、大丈夫だからな」
    デュースが優しく背中を撫でてくれたおかげで過呼吸気味だった呼吸もやっと落ち着いたが、エースの体はすっかり冷えきってしまっていた
    「部屋に戻って温まろう」
    「や…!オレここにいる…」
    「どうしてだ?一緒に帰ろう」
    「だって…部屋に戻ったらまた寝れなくて、今度は皆を起こしちゃうかも…」
    だから一人でここにいる
    エースはうつ向いて膝を抱えてしまった
    「僕が隣で一緒に寝る、エースが眠るまで起きてるから」
    「でも…」
    「ルームメイトのことか?
    だったら大丈夫だ
    二人ともエースのこと心配してたぞ
    それに僕達が付き合っているのは皆知っているんだし」
    緊急事態だから皆見守ってくれるさ、そう宥めてなんとかエースを部屋に連れ帰る
    「ほら、おいで」
    さっきまでルームメイトに見られたら恥ずかしいとかごちゃごちゃ考えてたのに、広げたデュースの腕に引き寄せられるみたいにすっぽり収まった
    それが心地良くて、不安な気持ちが溶けてじんわり温かくなっていく
    『あれ…?寒く…ない』
    デュースの温もりに包まれて身も心もポカポカしてこれなら眠れるかもしれない
    「おやすみ、エース」
    瞼にキスを送られ、目を閉じる
    久しぶりにぐっすり眠ることが出来、エースに笑顔が戻る
    それから二人は毎晩一緒に寝るのが習慣になった
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