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    1_raru3

    ブレワシリーズ書いてます。
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    pixiv未掲載作品。覚醒武器シリーズみのり編。時系列は本家ホプステ後。(つまりめーちゃんもレンくんも不在)

    咲くは未来の花、繋ぐは四つ葉のクローバー MORE MORE JUMPがななみとのコラボ配信ライブを成功させて数日。みのりの要望でこの日はセカイでの練習をすることになり、ミク達へと挨拶をするために彼女達を探していた。
    「ミクちゃーん!みんなー?どこにいるのー?」
    「おかしいわね、いつもこの辺りにいるはずなのに…」
    「怪物達の気配もないし、そういったことでもないと思うんだけど…」
    「そういえばみのり、今日はどうしてこっちで練習をしようなんて思ったの?今日晴れているのに」
     愛莉からの核心を突いた質問にみのりはたじろぐ。もごもごと、どう言おうか考えている様子であった。少し待つとみのりはどう言うか決めたようで、あのね、と口を開いた。
    「今回のコラボ配信のために、ルカちゃん達に特訓して貰ったからお礼を言おうと思ってて。えっと、あとね。うぅーん、どう言おう…」
    「みのり、落ち着いて。なんとなくでもいいから、ゆっくり話せる?」
    「う、うん!えっとね、ほんとになんとなーくなんだけど、なんだかこっちに来なきゃいけないような気がしていたの」
    「それは不思議ねぇ。このセカイのことならミクちゃん達が知っているかもしれないわ、もっと探してみましょう」
     3人の名を呼びながら歩いていると、バーチャルシンガー達の話し声が聞こえてきた。
    「これ、何だろう?」
    「悪意みたいなものは感じられないわね」
    「誰かを待っているかのように見えるよ?」
     4人は顔を見合わせる。この先は練習にも使っている小さなステージ。みのり達もミク達もたまにこのステージでパフォーマンスをしていることもある。とりあえず、目的の人物達とは会えそうだ。4人はステージへと足を踏み入れた。
    「ミク!みんな!来たわよ!」
    「あ、みんな!いらっしゃい!」
     みのり達とミク達は互いに挨拶を交わす。何度か来たことのあるこのステージには、異質なものが存在していた。薄オレンジ色に光る球体のようなものが彼女達の頭上で浮いていた。
    「え…?これ、なんだろう」
    「あなた達にも見えるのね。不思議なものなの。ここ2、3日前からここで浮かんでいたんだけど、捕まえようとしてもすり抜けるし、どうしようもなくってね…」
     そうルカが答えていると、事の発端のみのりが声を上げた。
    「あーっ、これだよ!この子だよ!わたしをここに呼んだの!」
    「みのりちゃん、どういうことなの?」
    「なるほど、そういうことかぁ!」
     その問いかけに答えたのはバーチャルシンガー達だった。
    「リン、そういうことってどういうこと?」
    「今回のことを通じて、みんなやみのりちゃんはとっても成長したよね?特にみのりちゃんはすっごく成長した。セカイがその頑張りと成長を穢れの怪物達と戦うための新たな力にしてくれたんだ!」
    「それじゃあ、この子の力を借りれば、もっともーっと強くなっちゃうってこと?」
    「そういうことね。でも借りるって表現は正しくないかしら。その光はみのりちゃんの力になるんだから。その光を手にしたいと思ったのなら、手を伸ばして。みのりちゃんに応えてくれるわ」
     ルカのその言葉に、みのりは固まる。どうしたらいいのかわからないようであった。戸惑うみのりを見て、遥達は顔を見合わせる。そして、みのりへと声をかけた。
    「なーにボサってしてんのよ、みのり。あんたに力を貸してくれるんなら、ちゃんと受け取らないと」
    「愛莉ちゃん…で、でも…」
    「みのりちゃん。みのりちゃんがいつも以上に頑張っていたのは私達も知っているわ。その成長のご褒美なんだから、受け取ってもいいのよ?」
    「雫ちゃん…」
    「みのり。私達は、アイドル活動でも、日常生活でも、こうした敵との戦いだって、みのりの応援に後押しされているの。みのりがもっと後押ししてくれるなら、私は嬉しいな」
    「遥ちゃん…!」
     三者三様の言葉を受け取り、みのりの瞳は輝き始める。意を決して、みのりは光へと手を伸ばした。
     みのりの掴もうとした意思に応じてか、光もみのりの方へと近づいていく。光とみのりの指先が触れた途端、光は一瞬強く輝いた。光が収まると、みのりは新たな杖を握っていた。
     杖のベースはみのりのパーソナルカラーのような薄オレンジ、杖の先端に付いていたオレンジ色の蕾は綺麗に咲き誇り、花の付け根から伸びた蔓に付くクローバーも三つ葉から四つ葉へと変わっていた。反対側の先には透き通るようなオレンジ色の宝石が嵌め込まれている。花の付け根にひとつ、宝石を囲むようにもひとつ、光のリングが浮いていた。花の付け根の方のリングには小さな羽根が一対、宝石側にはそれに加えて遥達のパーソナルカラーである水色・薄ピンク・薄青緑の宝石も飾られていた。
    「うわぁ…!すっごくかわいい!」
     みのりは新たに手にした杖を見て目を輝かせていた。遥達は、嬉しそうなみのりの様子を見て笑顔になる。さて、と愛莉が呟いた。
    「とりあえずみのりの目的は果たしたし、あいつらも来ていないんだったら練習始めましょっか。今日はちょっと厳しめにいこうかしら?」
    「ひえっ…でもなんだか今日はいけそうな気がする!もっともっともーっと頑張るぞ!」
     成長し、新たな力も手に入れたみのりの元気な声が、小さなステージに響き渡った。
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