決意「ふう……」
星奏学院最寄りの書店で1冊の雑誌が目についた鷲上源一郎は思わずタメ息が漏れてしまう。
そこにあるのは、「漆黒の覇者、黒橡 衝撃のデビュー」の文字。
そして、写っているのは紛れもなく堂本大我とかつての、いや、今でも心では忠誠を誓っている御門浮葉のツーショットであった。
堂本はともかく、御門の表情は物憂げさを残しておきながらも、一方で自分が見たことがない挑戦的な笑みを前面に押し出している。
「浮葉さまが壊れていく……」
そう思ってしまうのは、傲慢なのだろうか。
芯は強く、一度決めたことは決して曲げないものの、やはり儚げで物憂げ。
そんな印象を抱いていたのは自分の幻想だったのだろうか。
堂本を相方にしてから、いや、リーガルに関わるようになってからと書いた方が正解だろうか。彼に抱いていた印象はかき消され、新たな一面を剥き出しにされている。
1843