Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    有吉ヒナコ

    @arihina_2go

    MHRise/20↑/ウツハン♂・ハンウツ・他ハン♂受け/基本小説たまに絵/

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 23

    有吉ヒナコ

    ☆quiet follow

    サク響。月に敵わない太陽の話。

    「響はまるで、月みたいだな」

     二人で過ごす、何度目かの夜。窓の外の月を見上げて、俺は言った。

    「俺が?」
    「ああ。いつも静かにそこにいて、俺を見守ってくれる。そんな在り方が、すごく、月に似てる」
    「……なら、お前は太陽だな、サクヤ」

     すると響がそう言って、俺を見返す。

    「いつも俺の道行きを、先に立って明るく照らしてくれる。それが太陽のようだと、俺は思う」
    「……褒めすぎじゃね?」
    「いいじゃねえか、本心からそう思ってるんだから」

     ストレートな褒め言葉に言い過ぎだと頬を掻けば、返ってきたのは更にストレートな笑顔で。それが恥ずかしくて、俺は響の顔がマトモに見れなくなってしまう。

    「……アンタって、ホント、そういうとこだよな」
    「……そういうとこって?」
    「そういう鈍いとこだよ、バーカ!」

     せめてもの仕返しと頭を胸の中に抱き込んだが、甘えてるとでも勘違いしたのか、響はよしよしと頭を撫でてくるだけ。……いつもこうだ。たった二歳しか違わないはずなのに、響は俺をまるで子供のように扱う。
     それが、自分が男として響に負けている証明のようで、時々悔しくなる。
     けど、例え今は男として敵わなくても——。

    (アンタを幸せに出来るのは、この世でたった一人、俺だけだから)

     そう心に誓って、俺は腕の中の愛しい人を、更に深く抱き寄せた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works