歌合「もう年の暮れだねぇ…」
「そうだねー」
がばっ!
「暇だし遊ぼ二人とも」
「さんせーい!」
「…何して遊ぶの?」
「んー…分かんない!」
「」
「何も考えてなかった!」
「ええっ!?」
「んー…じゃあ歌合して遊ばない?」
「何それ?」
「二組に別れてお題に合わせて俳句だか川柳だか詠みあう遊び」
「あはっ楽しそう」
「うんうんそれで遊ぼう!」
「じゃ、まずおれが判者やるね」
「準備良い?」
「「うん」」
「よし」
「じゃ、お題は…猫」
「そういうかもって思ってた」
「流石一松兄さん」
「うっせぇ」
「で、どっちからやるの?」
「じゃあぼくから」
「ではどうぞ十四松選手」
「きょうだいと ひだまりぽかぽか あったかい」
「おおっ猫目線で来るとは秀逸…!」
「うったしかに良い…!けどボクだって負けないよ」
「ではトド松選手もどうぞ」
「うん!」
「おふとんの まあるいおやまは にゃんこかな」
「いいねぇ音の感じが心地良い」
「トド松すごい」
「えへへっ!それじゃ兄さんどっちが勝ち?」
「どっち」
「うーん…」
「十四松は“あったかい”のが兄弟とも日だまりともとれて良いし…
トド松は句切に合わせてにゃんこに変えてたのが良かったから…」
「持!引き分け!」
「「ええっ〜」」
「ごめん、おれじゃ甲乙つけられない」
「チョロ松兄さんとかに聞いたら良いかも…」
「そうだ!この際チョロ松兄さんにも遊んでもらおうよ!」
「そしたら兄さんも詠むほうできるし」
「あれ?でもそれだとふたり対ひとりになっちゃうんじゃない?」
「わあったしかに!」
「…クソ松も呼ぶか」
「たしかに」
「…後でおそ松兄さんがスネないといいけど」
「『俺だけ仲間はずれにしないでー』って」
「おそ松兄さんは仕事中なんだし仕方ないよ」
「まあそうか」
「じゃあ二人呼んでこよう」
「「うんっ」」