見えなかった光アッシュが帰還した。
皆が出迎えた気持ちと温度差があったのも覚えている。
先に死んだはずなのに、ここにいるのがどうしておまえだけなんだと酷く心の中で責めた。言葉に出来なかったのは困ったような浮かない表情が、よく知った存在だった。まるで、責めないでくれと懇願するような。庇護欲を掻き立てられた瞬間、彼が一人で帰還した理由を理解してしまった。
同時に認めたくなくて、愛想笑いで覆い隠した。
数ヵ月後。
平和条約で定めた意見交換会がグランコクマで開かれる。領主らも続々と会場入りしていた。
真紅の髪。陽光に照らされたルビーのような、確認せずともわかるその人に臆せず近づく。
「ようっ!久しぶりだな」
「ガイ…久しぶり。まさかここで会うとはな」
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