【曦澄】クリスマスまで7日【腐向け】「澄……」
父親の声が聞こえて、江晩吟は体を震えさせた。
藍曦臣の手が退かされるが、肩を抑えられて動くことができない。
「これはどう言うことだ」
「父さん……」
「久々のパーティーで、食事が合わなかったようで」
藍曦臣が、事情を説明をしようとしたが江楓眠は息子の腕を引っ張り抱き寄せた。
これまで彼の腕は、義兄の物であった。それなのに、どうしてこんなふうに抱きしめられているのだろう。
「私は、君を信頼してこの子を預けていたんだ。
啓仁もいるからと妻の反対も押し切って、澄の望みのままに外に出した。
それなのに、こんな……」
ああ、先ほどの口づけを見られていたのだろう。
父が他人にこんな風に怒るのは、初めて見たかもしれない。
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