ある日のエンフィールドとスナイダーある日、エンフィールドとスナイダーはロンドンの街を歩いていた。
目的は言わずもがな、街に潜む魔物を狩るためだ。
二人は市民や警官に見つからないよう、路地裏を移動していた。
その時だった。
突如として二人の視界が歪み始めたのだ。
まるで水面に映る景色のように、ゆらゆらと揺らめく世界。
そして――
気が付けば二人は見知らぬ場所に立っていたのである。
ロンドンからかけ離れた森の中であった。
周囲に人の姿はなく、獣道すら見当たらない深い森。
見上げれば木々の葉で空さえ覆い隠されていた。
そんな鬱蒼とした空間の中で、エンフィールド銃を構えたまま立ち尽くす二人。
すると突然、茂みの中から一人の女性が飛び出してきた。
その女性は黒いローブに身を包んでいた。
2796