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    CPP修正済み校正前

    第3話「私達の信念」「疲れたあ〜〜!」
    「ほんと、敵も倒したしはやく帰ろ。」
    「お腹ぺこぺこ!!わかめだー今何食べたい?!ワタシあつあつの小籠包!!」

    プリキュアとして今夜の役目を果たし軽い談笑を始める錠前とクレソン。
    敵との戦闘も終わり変身を解こうとしたその時
    、2人の目の前に立つのは赤い中華服のようなワンピースをまとい、淡い水色のリボンを頭に飾りつけこちらを睨みつけるよう見つめる女性の姿。

    「誰?」
    気配を感じることもなく突然現れたその姿に困惑を隠せずにいる錠前が言葉をこぼし赤い人物はこちらへ走り寄る。
    そしてそのまま拳を握り錠前へ襲いかかってくる、そのあまりの速さに錠前の足は動かない。

    「なしな!!」
    クレソンが錠前の名前を叫ぶ。
    赤い人物の拳は錠前の数歩後ろ、まだ存命していたのか隙を狙い攻撃を仕掛けようとしていた先程まで戦闘していた敵へと直撃する。

    「最後まで気を抜くな、戦いの基本アル。」
    太陽のようなオレンジ色の2つの三つ編みが揺れ、困惑する錠前とクレソンの前にフガがぴょんぴょんと近づく。

    「錠前!クレソン!紹介するフガ!共ポジはこれまで中国で長くプリキュアとして平和を守ってくれていたプリキュアの先輩なんだフガ!フガもポコを探してる時に会ったんだフガよ。」
    「キュア共ポジポコ?!」
    「プリキュアって世界にいるんだ…。」
    「共ポジさん?さっきは助けてくれてありがとう!ワタシなしなっていうのよろしくね!」

    錠前が共ポジへ握手をしようと手を差し出す。
    「ヘラヘラ笑って、プリキュアは遊びじゃないアル。オマエらみたいな信念のないプリキュア、我はプリキュアと認めないネ。」

    共ポジが錠前とクレソンの2人を睨みつけ差し出された手を強くはじく。

    ーーーーーーーーー

    「も〜〜〜なにあいつ!カンジ悪いっ!ポコは仲間だから仲良くしてって言ってたけどワタシあいつと一緒に戦うなんてぜっったいむり!!」
    「…なんだかあのリボン。」
    「なに、わかめだなんか言った?」
    言葉と態度その2つで錠前達の事を乱雑に拒絶した共ポジに怒りを露わにする錠前。
    「ううん、なんでもない。たしかにあんまりいい雰囲気ではなかったけど、でもあの子は、私達より長い間プリキュアになって戦ってるんでしょ。」
    「……それは。」
    2人の会話が止まる
    「私達の信念ってなんだろうね。」
    小さな言葉が落ちた。

    ーーーーーーーーー

    「共ポジ!待つフガ!あっちには敵がいっぱいいるの、他のプリキュアと協力しないとだめフガ!」
    「他のプリキュア、アイツらのことか?あんなやつらの助けなんていらない我1人で十分アル」
    フガの制止も聞かず1人道を進む共ポジ。

    『自分のために力を使わない。全ての人が平等であれるよう信念を持ち戦う。』

    自分はこれまでの人生をプリキュアとして人々を守るために費やしてきたどんな辛いことがあったとしてもその生き方に後悔はない。
    それが自分の産まれた理由だと思っているから、ただ自分と同じであるべき他のプリキュアが時折笑顔を見せながら戦うその姿に、その眩しさに自分のこれまでを否定されたような気がした。

    『你也想去中国吗?アイヤ!コミュニズムの魔法で野原さえも強ポジアルか?オマエも一緒にLet’s共産主義!』

    「オマエらの相手はこの我ネ、全員潰す。」

    いったい何体の敵を倒しただろう、単純な強さとしては共ポジの圧倒的有利だがいくら倒しても沸いてくる敵に多少なりとも体力を削られ息が荒くなる。

    考えろ、常に冷静さを持って対応しろ。
    コイツらだって無尽蔵にいるわけじゃない。
    どこかに仕掛けがあるはず。

    そう思考を巡らせた視線の先にはフガとポコが助けを呼んだのかあの2人プリキュアの姿。

    「我1人で大丈夫って言ったはずアル!」
    クールダウンさせようとした頭に血が上りわずかな隙が生まれる。
    その隙を見つけた敵に足をとられ、次の攻撃を避ける術が無くなる。

    しくじった、それでも問題はないと急所を庇い
    瞳を閉じ来るはずの衝撃に身を備える。

    しかし想定していた衝撃が実際に共ポジ自身にくることはなく、共ポジを守るよう庇い抱きしめる姿で共ポジと向かい合う錠前、錠前と共ポジを守るべくプリキュアとして防御の魔法を使うクレソンの姿が視界に入る。

    「どうしてネ……我はオマエらのこと。」
    「どうしてじゃないわよ!ワタシ達だってプリキュアなんだから!」
    「共ポ私もなしなも信念なんてちゃんとしたものまだわかんないよ、ただね。」
    「ワタシはワタシらしく在りたい!」
    「私は大切な人を守りたい。」
    「ただそれだけだよ。」
    「先輩なら先輩らしくお手本見せてよね!」

    よくよく考えれば完全に自分本位なその信念とも言えないそれを堂々と語るその姿の光にどこか共ポジの瞳と同じような太陽が重なっていく。
    うざったらしい笑顔、澄ましたような笑顔を共ポジに向け初めて会った時のようにもう一度錠前とクレソンに手を差し出される。
    「錠前、わねかだ。」

    2人の手を叩くように強く自身の手を重ね掴み立ち上がる。
    敵へと視線を向け3人が同じ方向を向く。

    「生意気な後輩ネ!」

    助けに来たと言ってもすぐにいつもの調子を取り戻した共ポジは錠前達が間に入るまでもなく強かった。
    「アイヤー!!」の一言で敵をなぎ倒してく姿にポコとフガが瞳を輝かせぱちぱちと拍手を繰り返す。
    「共ポ強いフガ!」
    「かっこいいポコ〜!!」

    動き回る共ポジの三つ編みの横で淡い水色のリボンが少し寂しそうに揺れた。















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