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    CPP2期修正済加筆前

    第10話「」雨上がりの厚い雲に覆われ星1つ見えない暗い夜の闇が長く続く。
    ユーロ達が名前を呼び続けるがなしなとわかめだは目を覚まさない。
    「オマエ錠前とわかめだになにをしたアルか。」
    怒りを隠すことなくそのおぞましい姿を共ポジが強く睨みつける。

    カランと下駄が空へ舞い
    赤い金魚がアスファルトに沈む
    瞬きの間にプリキュアへと変身した共ポジが
    にやにやとこちらへ視線を向け続ける敵へ自らの拳を振り上げようとする。

    「くるっぽーちゃんダメ!!」
    「セレナーデ?!」

    共ポジの腰へ手を回しその拳を止めるのはセレナーデ。

    「あいつはあいつにはダメなのはやく逃げなきゃ。」
    セレナーデの顔からは血の気が引きいつも輝く宝石のような笑顔を向けるあの姿からは想像ができないほど青ざめている。
    「…っ!」
    あまりの動揺の姿に共ポジも異常を感じ取る。

    「わかったネ。」

    倒れているなしなとわかめだを急ぎ抱えていく。
    「フガ!!ユーロちゃんもポコもはやく!」

    敵はそれを追いかける様子もなくその姿は走る共ポジ達から小さくなっていった。

    ーーーーーーーーーーー

    「うぅ……ワタシあれ?」
    見慣れない天井、ベッドの上で目を覚ます。
    「なしなさん!みんな!なしなさんも起きたよ!」
    「ユーロさん?どうして?」
    心配そうにそのいつもの優しい顔を向けるユーロに首をかしげる。
    「なぎさちゃん!!!私達のこと…わかる?」
    セレナーデが今にも泣き出しそうな瞳をこちらに向ける
    「セレナーデでしょ?何言ってるのよ。」
    「よかった、よかったよ〜〜〜!」
    そのままセレナーデに抱きつかれ先程起きたばかりのベッドへと押し倒される。

    「ぐえっ!」
    「鳴き声が踏まれたカエルネ。」

    「なしな!起きたって……なにこの状況。」
    一足はやく目を覚ましたわかめだが目を向ける先にはギブっギブ!とセレナーデの背中を叩くなしなの姿があった。

    ーーーーーーーー
    やだ、やだよフガ行かないでポコ。
    フガは?ねえフガはどこにいるんだポコ。
    お願いフガをかえして。
    ーーーーーーーー

    「アイツがET星人……
    セレナーデが教えてくれたフガの記憶を奪った敵なのね。」
    「私もなしなも不意打ちをくらって……一瞬だったけどあいつ怖かった。」

    あの夜の冷たさを思い出しわかめだが無意識に腕をさする。

    「でも我達が力を合わせればきっと勝てた。なんであのとき止めたアルか?」
    そう共ポジがセレナーデへ言葉を向ける。

    「だめ、あいつの力はただあの手に触っただけでも発動しちゃうの。だから特に、くるっぽーちゃんは絶対に戦っちゃだめなの。」
    指先に触れたそれだけで記憶が失くなる。そんなことがあるのだろうか。
    ただそれが本当なら自らの体を武器として戦う共ポジとの相性は最悪であると共ポジが口を閉じる。
    「……どうして地球にあいつが。」
    拳を握りしめ下を向くセレナーデにそれまで黙っていたフガが話し出す。
    「セレナーデ…ポコが…ずっと泣いてるんだフガ。」
    「泣いてないポコ!ポコは元気なんだポコ!」
    「泣いてるフガ。」
    「泣いてないポコ。」
    「ポコは嘘つきだフガ!フガが初めて会った時からポコが本当はずっとずっと泣いてるのフガだって気づいてた!」
    「フガはやっぱりどんなに頑張っても ︎︎ ︎︎"︎︎フガ︎︎ ︎︎ ︎︎"︎︎の偽物なんだフガ!」

    ︎︎ ︎︎ ︎︎"︎︎フガ︎︎ ︎︎ ︎︎"︎︎の記憶奪っていったET星人との対峙。これまで小さく小さくつもったそのナニカが耐えきれなくなったその想いが、悲痛な叫びがその小さな身体から飛び出す。

    「なんでそんなこと言うんだポコ。」
    「フガのばか!」

    ポコがドアへ1度ぽすっとぶつかりそのまま部屋を飛び出す。
    追いかけそうになる体をぎゅっと留めてフガがなしな達を見る。
    「フガはやくポコにフガを返してあげたいんだフガ。だからプリキュアのみんなお願いなんだフガ。」



    ーーーーーーーーー

    「ほんとうにそれで良いのかな。」

    フガはワタシ達にET星人を倒してとお願いした。
    ET星人は強くて記憶を奪われた後その記憶が戻ってきたという話。それはセレナーデが宇宙をくまなく探してもまだ見つかっていない。
    でも、もしかしたらあいつを倒せば記憶が戻るかもしれないその可能性を少しでも信じたい。
    フガはそう言葉を続けた。
    今のフガがどうなるのかそれは一切答えずに。

    「でもフガは私の友達だから。友達の事は助けたいよ。」

    なしなの問にわかめだがそう返す。

    「うん……そうね!!」
    「オマエらだけじゃ不安ネ、我もいくアル。」
    「でも共ポジは。」
    「飛んでくる火の粉を払うことなら我にもできる。」
    「もちろん!私もお手伝いしますよ!みんなのサポートは任せてください!」
    「ゆーちゃんもいるならお腹の心配はいらないね。」
    「卵焼き食べたいネ。」
    「ちょっと、遠足じゃないですけど。」
    「す、スペース…ジョークアル。」
    意を決して冗談を言ったのか少し恥ずかしそうに目をそらす共ポジ。


    「ねえ、セレナーデ。」
    「まだやっぱり怖い?」
    大事な2人の友達の喧嘩を目の当たりにしてそれも含め動揺を隠せないでいるセレナーデの手をなしなが握る。
    「そりゃそうよね〜あーんな怖いやつワタシも怖い!!」
    「でもワタシ達は強くなったよ。」
    「だからいこう!」
    「ポコとフガのためにも!」

    「みんなと一緒に。」
    その言葉にわかめだ、共ポジ、ユーロも手を重ねる。
    私今こんなにもあったかい。あの日あの時フガの手を離してポコが泣いてずっとずっと寒かったあの私じゃないんだ。

    「うん!!ありがとうみんな!私も戦う!
    よ〜し!あいつを思いっきりぶっ〜〜とばしちゃうんだから!!!」
    えいえいおーと力いっぱい5人のプリキュアが空高く手を掲げた。
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