Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    Ugaki_shuuu

    @Ugaki_kakkokari

    ※※※くさってます!!!!※※※
    コバ/カブとジロ/クガとアサ/キド/アサです。
    腐など興味がない!という方はゴーバック願います。

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 96

    Ugaki_shuuu

    ☆quiet follow

    キドアサ。こんなスカした城戸さんも乙女な浅倉さんも解釈違い甚だしいけどもういいやと思ってポイします。
    これ書いてから、いやこれ多分役割逆のほうがしっくりくるし何なら浅倉さんはバター犬のごとく舐めまくるよなって思ったのであとで別バージョン書きます。
    あとホント方言難しすぎる!!!ちゃんとこだわりたいのにそもそも回路がないからうまく会話させられないクソが!間違ってたら教えてくださるといと有り難しです。

    #キドアサ

    お粗末様な物語それは、金曜日の午後のことだった。浅倉は市内にある事務所の一つで、昼食を摂っていた。
    本日の昼食は、某ファストフードチェーン店のダブルチーズバーガーにポテトにコーラ、そして期間限定で販売している三角形のパイだった。今週の水曜日から販売が始まったというそのホットスナックは、一瞥してすぐあのフレーバーだとわかる、あからさまなピンク色をしていた。それでついつい、追加で注文してしまったのである。
    事務所のローテーブルに座りそれらを食していると、こちらも事務所に何か用事があったのか、扉が開いて、城戸がその向こうからひょっこりと姿を現した。その時ちょうど浅倉は、ハンバーガーとポテトとを食べ終えて、デザートのパイに手を伸ばしたところだった。平べったい二等辺三角形の、どちらが右か左ともつかぬ、鋭角にちょうど齧りついたところを、兄貴分にバッチリ見られてしまったのである。

    「……城戸のアニキ、おつかれ様です」

    口元を抑えつ立ち上がり、兄貴に対して礼を取る。それをしてから、自分がついパイを手にもったまま立ち上がってし待っていたことに気づいた。全くそんなつもりはなかったが、まるでおやつを取られたくない子供のようだと、気がついて少々気恥ずかしい気持ちになる。
    城戸も同じように思ったのか、浅倉の顔を見、それからその視線を、浅倉の手元のパイの方へと移す。

    「浅倉、それ、何食べとんの?」
    「マクドの三角チョコパイです。いちご味の。今週から発売だそうですよ」
    「へぇ、うまそうやん。一口分けて」
    「ええですよ。ちょっと待ってください。半分こしますから」
    「そんなようさんいらん。一口でええわ。端っこだけちょっと齧らして」
    「はぁ、べつに、兄貴がそれでええなら、俺はええけど」
    「ありがとぉー。お前はほんまにええ弟分や。俺は幸せもんやな」
    「んな大袈裟な……」

    城戸は礼を言うと、パイを持っていた浅倉の左の手首を掴んだ。それをそのまま自分の方へ引き寄せて、二等辺三角形のてっぺんのところをがぶりと囓る。囓ったことで生地が圧迫され、パイの中いっぱいに入っていたジャムとクリームが、ぶじゅり、と音を立てて吹き出した。それが、浅倉の手の甲に、ボタリと溢れて落ちる。 

    「……あ、こぼれてもうた」
    「あーこれ、ベタベタになるやつやん。……兄貴、ちょっとそこのティッシュ取ってください」
    「えー? こんぐらいならティッシュいらんやろ」

    言うと、城戸はひょいと左手を伸ばして、浅倉の手元にあったパイを取り上げた。そして右手で浅倉の手を捕まえると、背中を少しかがめて、その指先に唇を寄せた。そのままぺろりと、指先にこぼれたクリームを舐め取ってしまう。わざとちゅるりと音を立て、皮膚についた残滓を吸い取る。
    見方によっては、それはまるで手の甲に、キスをしているかのようだった。指の又の向こうから、射抜くような金色の2つの瞳が、浅倉の顔をうかがっていた。いたずらをする子供のように、楽しげな笑みを浮かべている。
    時間にして、ほんの2、3秒のことだった。4秒後には、それは浅倉の手元から、ふと離れていった。

    「……ごっそさん」
    「……よろしゅおあがり……」

    冗談めかしたそのことばに、浅倉はそう返すのがやっとだった。ドキマギと立ち尽くす間に、「ほい」と、食べかけの三角パイを手元に返される。

    「ほな、おれはカシラに呼ばれてるから、もう行くわ」
    「はい、行ってらっしゃいませ……」

    言うと、城戸はスタスタと、カシラの部屋へと繋がっている、事務所の反対側の方のドアへと歩いていった。パタン、と音がしてドアが閉まる。静かな部屋の中に、自分だけがとり残される。そこでやっと、浅倉は我に返る。そうして手元の、二箇所に歯型のついたチョコレートパイに目をやる。

    「こんな、二箇所に穴あけられたら、食べにくいやん……」

    小さな声で悪態をついて、またひとくち、パイを囓る。パイの端から、ぷちゅりと音がして、また少しだけジャムとクリームが指の上に溢れた。今度はそれを、自分でぺろりと舐め取る。
    クリームの味が一口目より格段に甘く感じられたような気がしたのは、たぶん、気のせいだと思う。………きっと、気のせいだ。……………嗚呼、気のせいだと思いたい。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😍💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    Ugaki_shuuu

    TRAININGキドアサ。こんなスカした城戸さんも乙女な浅倉さんも解釈違い甚だしいけどもういいやと思ってポイします。
    これ書いてから、いやこれ多分役割逆のほうがしっくりくるし何なら浅倉さんはバター犬のごとく舐めまくるよなって思ったのであとで別バージョン書きます。
    あとホント方言難しすぎる!!!ちゃんとこだわりたいのにそもそも回路がないからうまく会話させられないクソが!間違ってたら教えてくださるといと有り難しです。
    お粗末様な物語それは、金曜日の午後のことだった。浅倉は市内にある事務所の一つで、昼食を摂っていた。
    本日の昼食は、某ファストフードチェーン店のダブルチーズバーガーにポテトにコーラ、そして期間限定で販売している三角形のパイだった。今週の水曜日から販売が始まったというそのホットスナックは、一瞥してすぐあのフレーバーだとわかる、あからさまなピンク色をしていた。それでついつい、追加で注文してしまったのである。
    事務所のローテーブルに座りそれらを食していると、こちらも事務所に何か用事があったのか、扉が開いて、城戸がその向こうからひょっこりと姿を現した。その時ちょうど浅倉は、ハンバーガーとポテトとを食べ終えて、デザートのパイに手を伸ばしたところだった。平べったい二等辺三角形の、どちらが右か左ともつかぬ、鋭角にちょうど齧りついたところを、兄貴分にバッチリ見られてしまったのである。
    1758

    recommended works

    Ugaki_shuuu

    TRAINING【なんとなく下げてたものを再掲】キド+アサ。特に何を書こうと思ったわけでもなく、ただ情景描写がしたかった。
    なにげに自分の中では一番気に入ってる小説だったりします
    ただキドアサがタバコを吸っている情景描写がしたかっただけある日のことだった。
    その日はなんの変哲もないただの水曜日だった。朝起きて、飯を食い、テレビのニュースのヘッドラインだけ確認して、10時ごろフロント企業の事務所が入っているビルへと足を向けた。
    そこで城戸の兄貴に会い、諸々のことを確認し、一緒に昼飯を食い、午後は兄貴について人に会いに行った。そんなことをしていたら、時刻はすでに夕方の7時だった。切った張ったのドタバタ劇も何もない、本当に平凡で平坦な、あくびのでそうな1日だった。
    この後もせいぜい2、3軒のキャバクラへ守り代を回収に行くくらいしかやることがなかったので、事務所にいた他の連中と一緒に、出前で寿司でも取ろうということになった。寿司桶いっぱいに入った寿司を、その場にいた4、5人の組員たちとともに、わいわい言いながらつつく。そうして腹もくちくなって、食休みに一服しようということで、城戸とともに、ビルの裏手の非常階段のところへとやってきた。重たい鉄の防火扉を開けると、そこには事務所の連中が、空き缶で作った灰皿を針金で窓の鉄格子にくくりつけた、簡易的な喫煙所があった。城戸がスーツの裏ポケットから白地に赤い丸印のタバコの紙箱を取り出す間に、浅倉もまた、ポケットからタバコの紙箱を取り出した。紙箱の中にタバコと一緒に入れておいた100円ライターを引き抜き、火を灯して、タバコを咥える城戸の前に差し出す。城戸はニッコリ笑って「ありがとぉ」と言ってから、浅倉の手の中に灯されたライターの紅に、スイと額を寄せた。ライターの灯りに照らされて、城戸の顔が薄暗闇の中に数瞬、ぼんやりと浮かび上がる。やがてそれが薄闇の中に沈んでいき、それと引き換えにフーー、と息を吐く音がした。男の吐き出す煙の、甘みの混じった香ばしい匂いが、浅倉の鼻腔をくすぐった。
    2507