トーヤの背中を追い、たどり着いたのは廃ビルからほど近くの地下シェルター。
トーヤはテキパキと入口の虹彩認証、指紋認証を行ってコードを打ち込み、アキトをシェルターへと招き入れてくれた。正直無表情で何を考えているのかがさっぱり分からないがこうして何かと助けてくれる辺り根はいい人なのだろう。そう思う。
「しばらくは俺の部屋にいるのがいいだろう。ついて来てくれ。」
そうアキトに告げ先を歩き出すトーヤ。もとよりトーヤについて行くより他にあての無いアキトは言われた通りに従う。
シェルターの中は裸電球がポツリポツリと点っており、薄暗くはあるが想像していたよりは遥かに広い。コツンコツンと2人分の足音が反響してシェルター内に響いた。
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