答えを求めて ほんの些細なことだ。気づいてしまえば手がつけられなくなってしまった。例えばそう、洗濯物が少し上手く干せるようになった。昼間洗濯物を干すのはロナルドの当番だから。調味料が増えた。サラマンダーとか何とかゲームの敵みたいな名前の調味料もあったはず。何に使うんだアレ。諸々用途が理解できない調理器具がいつに間にか増えていた。一人の時はどうしていたか思い出すのが難しくなった。
立てかけられたフライパン。清潔感が保たれたシンク。作り置き用のタッパー。包丁の数もいつの間にか増えていた。エトセトラエトセトラ。数えるのもバカらしくなるほど、当たり前になりすぎて気にもとめていなかった日常の変化。ロナルドの目下の悩みはそうした日々のちょっとした変化をがやけに気になるようになってしまったことだった。
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