やさしいキスをして。(五悠?)「ゴメン。釘崎、伏黒。俺、用事思い出したわ。先に帰えんね!!」
今日は3人揃って夕飯を食べようと街へ繰りだしていた時だった。スマホの新着通知を確認した悠仁が、それだけ言い残すと慌てたように駆け出す。
「え、虎杖?!急にどうしたのよ、アイツ…。でも、用事ってなんなのかしら?」
詳しい事を聞こうと野薔薇が声をかけたが、悠仁は遥か彼方へ走り去っている。
「…さぁ?あ、コンビニ寄りたい」
「解った」
無言で悠仁を見送った恵は、野薔薇とコンビニへ立ち寄るのだった。
ーー
通知と共に表示されたメッセージには、ただ一言
『会いたい』
だけで。いつもの軽いノリは影を潜んでいる。
普段とは違う様子に、悠仁の不安が募る。
(先生…)
流石に呼吸も苦しくなってきて、スマホを仕舞うのももどかしく握りしめた掌は、手袋をスマホを操作する際に外してしまった為に、指先が凍るように冷えてきたが、構わずに悠仁は走り続けた。
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