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    おうり

    ゲン千とゲ黒千と黒千千、千黒千が散らかってます。
    シリーズと一万字超えた長い物はベッターにあります。https://privatter.net/u/XmGW0hCsfzjyBU3

    ※性癖ごった煮なので、地雷踏み予防と未成年の方の閲覧防止に念のためパスワードをつけてるものが多いです。
    ※誤字、脱字、おかしな日本語があります。

    ☆Тайно следовать
    POIPOI 68

    おうり

    ☆Тайно следовать

    ◇ゲンと付き合っている千空ちゃんがゲンのひびをひたすら触りたいだけの話。

     首に回した手を緩めて、左頬の上下を繋げたひびをなぞる。
     笑った時の横顔にも似た奇妙な形。
     
     人間の顔は左右非対称。
     アメリカの心理学者たちの研究によれば本音が出るのは顔の左側。根拠としては人間の身体の左は感情を司る右脳、右は理性を司る左脳に影響が表れるかららしい。

     そんなこと、メンタリストであるゲンが知らないわけがない。だから、彼は対策くらいしている。そう思うのに一瞬でいいからゲンの本音を覗きたい俺がいる。

     近くでよく見ているのに彼のひびに触れることはあまりない。
     手を伸ばせば届く距離でもいきなり顔に触ったらゲンが嫌がるかもしれない。どさくさに紛れて触ることも出来たが、性感帯だったらどうしよう。そう思うとなかなか勇気が出せなかった。

     それでもどうしても触りたい。

     俺のと比べて深さはどうなのか、時々勝手にひびが動いているように見えるのは気のせいなのか。
     一度火のついた好奇心は冷めることを知らず。ついに俺はふだんのゲンを参考に触った後のゲンの反応別に答えを用意し、ひびに触れるためのロードマップを完成させた。

    「んっ……」

     何度もしつこく撫でるのがくすぐったいのか、ゲンが目を細めて顔を揺らす。逃げようとする彼を追いかけようとしたら首を振って避けられた。
     どうしたの、と言う代わりにゲンが首を傾げた。
     きょとんとした表情と言葉には俺への非難は含んでいない。単純に俺の口から聞きたいようだ。

     これはパターンAだ。

    「別にテメーに触れちゃ悪いのかよ」

     ゲンの言動に対して事前に準備していた答えを返す。

     ゲンは機械ではないから、俺の想像内で収まるわけがない。変化球が来た場合が一番近いパターンを応用させるつもりだったが、大きく外れなかったので俺の恋人に対する理解と分析力は高かったらしい。

     目を逸らして頬を膨らまし、口を尖らかせる。

     参考は石化前に科学部のマンパワー集めのために調べて作って彼氏欲しい女達にばらまいたネットの海で探しまくった恋人に可愛いと思ってもらえる仕草ランキング。
     やたらと俺には難易度の高い中からこれなら俺も恥ずかしくなく真似出来そうなものを組み合わせたコンボ技だ。
     何度も練習したけれど、これも心理学の本まで出しているゲンにはバレているかもしれない。

    だがしかしだ。これもバレるのも計算の打ち。

    俺がゲンのために頑張っている努力に気付いて感激させてやることでひびを触らせてもらいやすくする作戦だ。

    「えーっと」

     ぱちぱちと恋人の瞼が動いて、すぐにふわりと溶けるような笑顔に変わる。
     いつもの俺が見せない意外性にゲンが驚いた。よし、第一段階はクリア。胸がドキドキするのに耐えながら垂れた前髪を耳にかき上げ、ちらりと横目でゲンを伺う。

    「付き合ってんだぞ、俺たち。別に触ったっていいじゃねぇか。減るもんじゃねぇだろ。それともテメーのひびは触ったら深くなるのかよ」

     ああ、恋愛脳は本当に非合理的だ。

     やることはたくさんあって時間も足りないのに恋に全力で時間を割いてどりょくしようとしやがる。
     いつもなら言わない非科学的な言葉を口に出すのも計算通り。感情的におかしなことをいう俺にゲンがやさしく許可を出す。そのはずだった。

    「そうだね、付き合ってるんだもんね。じゃあ、ひびの触り合いっこしよっか」
    「へ?」
    「千空ちゃんが俺に触りたいように俺も千空ちゃんに触りたいのよ」

     伸びてきた手が俺のひびに触れる。
     俺は頑張って知恵を回して、行動を分析して、タイミングを計算して、そうしてやっと触れた聖域だったのに。
     何一つゲンの手の障害になるものはなく、俺のひびをゲンが愛でる。

    「テメーはずるい」
    「え? 何で?」

     わけがわからず困っている薄いゲンの腹に触れる。
     無駄な肉のない腹と割れた腹直筋。自称もやしなんて言いながら服の下に隠している肉体は雄々しい。
     

    「ひびだけじゃ足りなくなった。もっと触らせろ」

     抱き合うだけじゃ足りない。ゲンが俺の肌を余すところなく撫でるように俺もゲンを愛でたい。彼の身体の知らないところなどないように、ホクロ一つ見落とさずに記憶したい。

    「ちょっ、ジーマーでくすぐったい」
    「このひび、俺以外に触らせるんじゃねぇぞ」

     彼の手のひらに顔を擦り付けながら、無理難題を口にする。わかりやすく困るゲンの顔にムッとなって彼の長い指に歯を立てる。
     痛みに驚く恋人に俺は自分の中で一番意地の悪い微笑みを返してやった。
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