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    k0510_o0720

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    POIPOI 73

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    DONEレイチュリ🧂🦚
    ワンウィーク【こぼれ話】

    🧂が語る、取るに足らない話
     ひとつの大きな仕事が終わった。カンパニーに不利益を被らせた大罪人の処刑、という大きな仕事だ。今はもう死刑なんてボタンひとつでできるようになっていて、だからレイシオがやったことといえばそれを押すことだけなのだけれど。でも、やっぱり精神的にきているのかもしれない。だって大罪人とはいえ、死刑囚とはいえ、元奴隷とはいえ。ずっと一緒に仕事をしてきた人だったから。
    「にゃう?」
    「……すまない、朝食の時間だな」
    「にー!」
     みっつの生命体に急かされて、持ったままだったそれを皿に移してやる。食事をするようになったのは彼の影響らしい。彼らの面倒を見ていた彼、その処刑された死刑囚の彼は、なんとも美味しそうに食事をしていたのだとか。最初は得体の知れない棒状の何かを口に突っ込んだり、パックの口から何かを吸い上げたりするだけのところしか見たことがなかったのに。でもそんな彼がいつからか大切そうに抱えられるくらいの包みを持って帰ってくるようになって、それを楽しそうに開いて、その中のものを口元を綻ばせながら食べて。だからどうしても気になってしまったのだと。ビーコンで翻訳された彼らの言葉は、如実にそれを伝えてくれた。
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    k0510_o0720

    DONEレイチュリ🧂🦚

    打算で付き合っていた🧂の話
    「打算だった」
     聞こえてきた声に反射的に息を潜めた。何でって、彼と自分の関係に対する話題だったからだ。レイシオと、それから上司であり身元引受人にもなっているジェイドの会話。たまたま彼女に用があって、執務室にいるという話を聞いたから訪れた彼女の部屋だ。アポをとるほどのものでもなかったから、ジェイドでさえアベンチュリンがここにいるとは思っていないだろう。
    「ふぅん。どこからか聞いても?」
    「彼からの想いに応えたところからだな。それだけで彼の行動が多少はましになるのなら必要な犠牲だろう」
     犠牲、犠牲か。あぁでも確かに、彼からしたらこれは犠牲になるのか。だって潔癖だと自称するレイシオにとって、他者との接触なんてストレス以外の何物でもないだろうし。でもそれはアベンチュリンの想いに応えたら、つまり恋人という関係を持つなら避けて通れない。でも、じゃあ、その犠牲を経て彼が得たものって何なのだろう。『アベンチュリン』を得て手に入るものなんて幸運か、信用ポイントか。恋人だろうと仕事関係の情報なんて渡せないことは彼も理解しているだろうし、そうなるとそれくらいしかないと思うのだけれど。
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