もう終わりにしたい、と言われた。それは美しいネオンを一対持った彼からの言葉で、その顔には美しい笑みがしっかりと浮かんでいる。
「……どちらを?」
「えぇ? 僕がカンパニーに指示されている方の関係を解消できると思うかい?」
つまり、もう片方だと。彼とは大きく分けてふたつの関係を結んでいた。ひとつは戦略的パートナーという、カンパニーが勝手にあてがったものだ。彼とレイシオが組むと利益が増える傾向にあるのだとか。その真偽は定かではないし調べるつもりもないけれど、書類上は一応そういうことになっている。
そしてもうひとつ、どこにも知らせていない関係がある。爛れた関係から始まってしまったそれは、レイシオの努力の甲斐があって今は『恋人』と称されるものにまで変化していた。お互いの家に行き来したり、出かけたり、言葉でその感情を伝えあったこともある。それを今、アベンチュリンは解消したいと。
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